黒岩は9月1日以降、正寿ちゃんがよく遊びに来る恵比寿東公園で野宿し、その機会を狙った。が、いつも他の子供がいたり、親と一緒だったりで、なかなか実行に踏み切れない。

 そこで、正寿ちゃんの登校時を狙うことを計画。

誘拐した少年をボコボコに

 9月10日朝、くり小刀を手に通学路で待ち構えた。同日午前8時10分、正寿ちゃんが友人2人と前出の渋谷橋交差点歩道橋を渡り北東階段を降り終わろうとするや、正寿ちゃんの襟首を掴んで「俺の弟を泣かしたろう」と因縁をつけ、右手の拳で腹部を殴打。

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 そのまま抱きかかえ、渋谷区立東三丁目公衆便所に連れ込み、大声で泣き叫ぶ正寿ちゃんの口を押さえながら刺殺した。

 午前10時過ぎ、ビニール袋に包んだ遺体をスーツケースに入れ東横線渋谷駅構内の携帯品一時預かり所に渡した後、電柱広告で見つけた正寿ちゃんの父親の質屋に脅迫の電話。

 翌日には正寿ちゃんの靴を見せるため2回目の電話をかけるつもりだったが、その前に逮捕された。このとき、所持金は100円玉3枚、50円玉2枚、1円玉4枚しかなかったそうだ。

 黒岩は未成年(当時)ということもあり、当初は東京家庭裁判所に送られた。が、同家裁は犯行の残虐性から刑事裁判が相当として東京地検に逆送致。1969年11月5日に殺人・身代金目的誘拐など8つの罪で起訴される。