過去最悪の暴言

 Fワード(Fuckin’)、罵倒語のバスタード(bastard)は共にアメリカではよく使われる言葉だが、あくまでプライベートの場でのことだ。成人が上司を罵って使えば解雇、生徒なら停学もあり得る。地獄(Hell)もキリスト復活の日に使うべき言葉ではない。さらに異教徒が皮肉として「アッラー」の名を口にすることはイスラム教徒への大いなる冒涜となる。いずれも一国の大統領の言葉とは到底思えないものだった。

 過去にあらゆる罵詈雑言を口にしてきたトランプだが、この時点ではこのポストが最悪のものだった。ゆえに各局のニュース番組のキャスターはFワードも含め、あえて全文を読み上げたり、「私は読み上げることはしないが、読んでほしい」と全文を映し出したりした。読み上げたキャスターの中には、それでも「アッラー」の部分だけは読まなかった者もあった。

 イランに対し、アメリカ/イスラエルが完全に優位だと考えて始めたイラン戦争だが、ホルムズ海峡を封鎖されて原油の供給が閉ざされ、それによって米国内外からの批判が高まり、トランプは焦っていた。実のところ、原油よりも自身のプライドの問題だったのかもしれない。イランはその優位さを知っており、海峡再開の交渉を焦らせていた。SNSにはトランプとネタニヤフを笑い者にするミームが連投されていた。それに心底、腹を立てたのではないだろうか。

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「今夜、一つの文明が滅びるだろう」

 上記のわずか2日後、4月7日のトランプのポストは、さらに世界を驚愕させた。

「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう。そんなことは起こってほしくないが、おそらくそうなる。しかし、今や完全な政権交代が実現し、これまでとは異なる、より賢明で、過激化していない人々が台頭する時代、もしかすると革命的に素晴らしいことが起こるかもしれない、誰にも分からないだろ?今夜、世界の長く複雑な歴史の中で最も重要な瞬間のひとつが訪れる。47年にわたる搾取、腐敗、そして死が、ついに終わりを迎える。イランの偉大なる人々に神のご加護があるように!」

「一つの文明がまるごと滅び、二度と復活することはないだろう」などとポスト(トランプ氏のトゥルース・ソーシャルより)

 冒頭の「今夜、一つの文明が滅びる」(A whole civilization will die tonight)は核兵器の使用を表しており、文末に「イランの人々に神のご加護」と書いてはいるものの、国民も殺戮されることをも意味する。