もっと身近にも「仲間」が欲しいと願ってしまう

――どうしても、自分が第一、他者は二の次、となりがちですよね。

山田 そうなんです。誰だってまずは自分を守る行動に徹するじゃないですか。「僕はあの場所に行きたい。そのためなら何でもする!」と言った時に「じゃあ、私もあなたに命を預けるよ」と一緒に汗を流して懸命に走ってくれる仲間は、もう限りなく少ないと思うんですよね。

 それは仕方がない、そうわかってはいるんです。人それぞれ守りたいものはあるし、組織に属せばさらに様々な思惑が働くでしょうし。でもやっぱり、僕は孤独を感じてしまう。現場に入ってみんなで熱意を燃やせば燃やすほど、そこを離れた時の温度差に悩み、苦しみ……。もっと身近にも「仲間」が欲しいと願ってしまうんです。

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――そんな時に『ちるらん』と出会ったわけですね。

山田 撮影に入ってみて「僕はやっぱり、作品に向かって仲間と命を燃やすのが好きなんだな」とあらためて強く感じました。強力な先輩たちが味方してくださったり、「(主人公が)裕貴だからやろうと思った」と新撰組隊士のみんなが言ってくださったり。鈴木伸之なんて自分も出演者なのに「山田裕貴の代表作を作りたい」と熱弁してくれて。

――鈴木さん、制作発表のイベントでもおっしゃっていましたね。

山田 本当にずっと言ってたんですよ。撮影の裏でも、お酒を酌み交わしていても、ずっと。「な、なんなんだコイツは」と感動しました。僕が死に物狂いでやっている姿がみんなの心を動かしたのだとしたら、モヤモヤを振り切って飛び込んだ意味があったのかもしれません。

 ……きっと、歳三さんもそうだったんだろうなって。全力で生きている姿が周りの魂を揺さぶった。そのリンクを軸に役をつくっていけばいいんだという気持ちになれました。本当に、今回も外の仲間に助けられましたね。

リアルな想いが、脚本を超えてしまうことも

――戦いを重ねるごとに、土方の剣には、仲間や、時には敵の想いや人生も乗っていきます。『ちるらん』の物語とも非常に響き合うお話だと感じました。

山田 僕らのリアルな想いが、脚本を超えてしまうこともありました。『ちるらん』は漫画原作で、スタッフ・キャスト一同、その世界観をとても大切にしていたんです。セリフも漫画からほぼ書き写したといっていいほど忠実でした。