「幕末の世に生まれていたら、殺し屋にはなれないんだろうな」

――全力で向かってきてくれるからこそ、全力を発揮できると。

山田 はい。お互い本気でぶつかり合える方が、僕は嬉しい。……って言っている僕が一番気にしいなんですけど(苦笑)。練習が終わるとすぐに「大丈夫ですか、大丈夫ですか!?」って駆け寄っちゃうんです。「もし本当に幕末の世に生まれていたら、武士にはなれたとしても、殺し屋にはなれないんだろうな」とつくづく感じました(笑)。

――山田さんは非情になれないイメージです。

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山田 ただ、痛みが喜びに変わる瞬間は何度もありました。殺陣とはいえ、本気で魂を懸けたやり取りをできるのが嬉しいし、たまらなく楽しいんですよ。その究極が鴨じゃないですか。「本当に俺を殺してくれよ」と心底欲している。

――「暴力」が人生の核になっていて、それこそ「本気の命のやり取り」を求めているキャラクターです。

山田 だから、僕の中には鴨も眠っているのかと。それがまた、歳三と鴨が「俺たち似た者同士だよ」と通じ合うところにもリンクするんです。

Ⓒ橋本エイジ・梅村真也/コアミックス ⒸTHE SEVEN

やっぱり刀には人が出る

――なるほど。

山田 それは綾野さんと刀を交わして得た気づきでした。金子さんも安藤さんもケンティーも、みんなが色んな面を僕に教えてくれたし、与えてくれました。ノブ(鈴木伸之)とはこれまでもアクションの作品で共演していて、どんな力で臨むか、どう動くかもわかっているつもりでしたが、それでもやっぱり新しい発見があるんですよね。彼は本当に繊細な子で、周囲への気配りができるタイプ。ああ見えて意外に優しいんです(笑)。本当に色んな人間がいて、面白いなと感じられる。やっぱり刀には人が出るんでしょうね。

――新撰組結成を描く、プロローグの「江戸青春篇」からすでに疾風怒濤のアクションだったので、「京都決戦篇」のラストはどんな戦いが繰り広げられるのか、とても期待しています。

山田 「江戸青春篇」は本当に始まりの始まりですから! もちろんそこでも新兵衛をめぐるエピソードなど熱いドラマが描かれていますが、『ちるらん』全体を通して言えば序章です。アクションはもちろん、キャラクターの成長や変化の波も、大きく高まるのは「京都決戦篇」なので。最後まで観ていただければ、真に楽しんでもらえると思います。

【原色美男図鑑(『週刊文春』2026年4月30日号掲載)】 

撮影 神藤 剛
ヘアメイク 小林純子
スタイリング 森田晃嘉
衣装協力 A LEATHER/saby/YUTA MATSUOKA/PORTER CLASSIC

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