ランチを減らす英断

 大切なスタッフが疲れては困るので、最近はランチの営業を1日減らしました。ランチもディナーもメニューや価格は変わりません。そのため三つ星クラスで半日閉めると、利益がかなり落ちます。それはもうびっくりするぐらい。そこをオーナーに理解してもらうために、昼と夜で25名の予約が入るときは夜を30名にして作業を集中させるようにしました。また、料理面では実力のばらつきをなくすため、わからないスタッフには実演して見せる。「この状態にしてほしい」と一緒にフライパンを握りながら説明します。ランブロワジーの卒業後に恥ずかしくない料理人であっても欲しいですから。

安發氏のオリジナル料理 写真提供=ランブロワジー

 まかない料理も手を抜きません。料理人にとって、たとえ時間がなくてもおいしい料理を作るのが絶対条件です。自分の力にもなるので、まかないでもトップクラスの食材を調理してみんなで食事します。フランス料理に欠かせないソースはとても原価がかかります。赤字になってはいけませんが、でもやっぱりおいしいものを食べるとみんなが幸せになる。幸せな気分のまま調理もサービスも始められます。そして、どんなときでも私は年下でも年上でも敬語で話します。家族のようとは言えど馴れ合いにならない距離を保つ。敬意を持って話せば、相手も丁寧に接してくれます。

ランブロワジーの華やかな店内。写真提供=ランブロワジー

※約7000字の全文では、フランスでの料理修行を安發伸太郎さんが振り返っています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(安發伸太郎「パリ三つ星店継承者のミシュラン論」)。

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※このほかにも、「文藝春秋PLUS」では料理人の記事を多数掲載。
神田裕行「ミシュラン三つ星、コメ騒動に一家言あり
松久信幸「僕の寿司を食べた世界のスター
村田吉弘「和食のうま味を世界が認めた

文藝春秋

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パリ三つ星店継承者のミシュラン論

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】東京極秘対談 ティール×トッド 世界は終末を迎えているのか/池上彰×佐藤優 “暴れ獅子”トランプと“女豹”高市の生きるか死ぬか/官邸官僚の第二の人生

2026年5月号

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