2月28日、アメリカ・イスラエルの攻撃で始まったイラン戦争。イラン国内の死者数は3000人を超え、原油価格の上昇により、私たちの生活にも影響が及ぶ。未来はどうなる? 池上彰が中東研究者・高橋和夫氏を直撃した対談の一部をお届けします。(4月13日収録。対談全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および4月30日(木)発売の「週刊文春」で読むことができる)
イランに核兵器を持たせないというのは言いがかり?
池上 オバマ政権下の2015年に、国連安保理の常任理事国など6カ国がイランと核合意を結びました。ウランの濃縮活動を制限する代わり、経済制裁を解除するなどの内容です。
ところがトランプ大統領は、第一次政権の2018年に一方的に離脱して、制裁を再開しました。それに反発したイランが、高濃縮ウランの製造を始めたという経緯があります。トランプ大統領は、過去の決め事をメチャクチャに破壊していますね。
高橋 今は共和党が議会の多数派を占めています。共和党員はみんなトランプ大統領におびえていますから、本人さえその気になれば、議会では民主党が少数派だったオバマ時代以上の妥協案をイラン側に提示できるはずです。議会の反対が予想されないからです。
池上 停戦交渉が難航しているところを見ると、オバマ時代の核合意を上回る条件でなければ妥協できないんでしょう。
高橋 そういうことでしょうね。ただし誰が見ても、あの合意を延長していれば、イランは核兵器に手が届かないんです。
トランプ大統領も去年5月くらいまでは、ウラン濃縮を認めて着地しようという態度だったのに、急に一切認めないと言い始めました。ですから、イランに核兵器を持たせないというのは言いがかりで、実は他に問題を抱えているのかと。
エプスタイン・ファイル
池上 それは何でしょう。
高橋 正解はわかりませんけれども、エプスタイン・ファイルかなと思います。エプスタインはユダヤ人で、イスラエルのバラク元首相と親しかったのはよく知られています。何か不都合な記述があるのをイスラエル側に弱みとして握られ、イランを攻撃するように脅されたのではないか。そう想像してしまいます。
池上 トランプ大統領は、エプスタイン文書の扱い方が悪いと言って、司法長官をクビにしました。さらに、メラニア夫人が突然「私はエプスタインとは関係ない」と言い始めた。誰も関係があるなんて思っていなかったのに、不可解です。
高橋 よけいに怪しいですよね。
《この続きでは、これからの情勢予測やトランプ大統領が注視している「3つのM」について語っている。対談の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および4月30日(木)発売の「週刊文春」で読むことできる》
