いま、中年世代で「既婚者限定の合コン」がブームだという。大半の人が目当てとするのは刺激=不倫である。
実際に潜入してみると、参加者の多くはギラギラしたようすもなく「普通の人たち」だ。既婚者限定合コンという機会があるにしても、彼・彼女らをリスクのある行動に突き動かす背景には何があるのか。原田曜平氏による新著『中年中心社会 団塊ジュニアとポスト団塊ジュニア』から、一部抜粋してお届けする。
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一見「普通の人たち」の集まりだが……
改めて、取材した既婚者合コンを振り返ってみて感じたのは、“普通の人たち”の集まりである、ということでした。あからさまにオラオラ・イケイケの男性も、ものすごく乱れた女性もいない。むしろ全体のテンションは落ち着いている。取り立ててキャラや見た目が「立って」いるわけでもない人がほとんどでした。
男女ともに服装も態度も普通で、特に女性の場合「こんな地味な人も来るんだ」というのが正直な感想。東京のど真ん中、美しい夜景を見ながらの集いです。もう少し着飾ってもいいのでは? と感じるような風貌の方すら中にはいました。
それは裏を返せば、「普通の人たちが一歩踏み出しやすい状況」を作っているのが、このような既婚者合コンであるということなのかもしれません。
ひと昔前、既婚者がセカンドパートナーを作る機会はあまりなかったのではないでしょうか。職場などでアプローチするか、盛り場で声をかけるか。かなり肝の据わったつわ者でなければ、そんなことはできなかったでしょう。
ところが既婚者合コンは、サイトで必要事項を入力して予約するだけ。実際、マッチングアプリですら抵抗のある方が、これなら安心と言って参加するケース(Bさん)もありましたし、Aさんのように積極性がまるでない方も参加しています。
これまで、刺激を得たいミドル層の中には一定数、欲望を内に秘めたままで決して行動に移さない人もいたのだと思います。既婚者合コンは確実に、その人たちの背中を後押ししています。
