開始から1時間後、会場に異変が……
自分ではっちゃけられないミドル層に、はっちゃける場を提供した──とでも言いましょうか。特に男性の場合、会話の入口はどなたもソフトですが、開始1時間過ぎ(お酒が徐々に回ってきたころ)から欲望が露出し始めました。
一応、多くの既婚者合コンのサイトでは「同じ趣味を持つ友人作り」「たまの気分転換」を謳っています。それゆえ、たとえば趣味の確認なり、好きなエンターテインメントなり、最近何か面白いドラマってありますか? といった話題がもう少し出るかと思いきや、驚くほど出ません。
かなり直接的に「次、個別に会えるか」「一緒に行くならどんなお店がいいか」を最短時間で聞き出そうとする男性が多かったように思います。1テーブルあたり30分しかないので当然と言えば当然なのかもしれませんが、何か非常に「会話の順序を踏んでいない」というか、切実というか、コスパ、タイパ重視で攻める男性が目立ちました。
一方、女性参加者たちを見ていて、思い出したことがあります。
「5分でいいから子供が消えてほしい」と口にし始めた女性たち
私には、「マイルドヤンキー」という言葉を提唱した『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(幻冬舎新書)という2014年の著作があるのですが、その本のためのインタビュー調査をしていた2012~13年ごろ、地方に住む若いママ(20~30代)から「5分でいいから子供が消えてほしい」という切実な言葉を聞きました。
無論、本当に子供がいなくなってほしいということではありません。ある女性は3人の子持ちでしたが、たった5分でもいいから子供が消えてくれれば、ゆっくりコーヒーが飲めて、もっと子供たちを愛せるのに……ということだったのです。忙しいお母さんたちは、たった5分の自由な時間すら確保できません。そんな切実な気持ちは、他のお母さんたちからも、さまざまな言い方で表明されました。
