団塊世代とジュニア世代との「大きな違い」
当時の私は正直、ぎょっとしました。子育ての大変さは無論よく理解できるのですが、そういう言葉は自分の母親世代(団塊世代)だったら──子育てを大変だと感じていたにしても──絶対に口にはしなかっただろうな、と思ったからです。きっと団塊世代の母親たちは、愚痴や不満が喉元まで出かかっても、「こんなことを考えてしまう私はすごく罪深い。こらえ性のない人間だ」と考えて、ぐっと飲み込んでいたことでしょう。
しかし2010年代初頭の時点で、それを口にするママたちが出現し始めました。そんな彼女たちのニーズを受けて広告代理店勤務だった私は、某車会社と一緒にある車を開発しました。せめて子供を連れてスーパーまで運転する間くらいは、「何買おうかなあ」とルンルンしていてくださいよ、というコンセプト。
広告も、後部座席の子供がおもちゃで遊んだり、窓の外を見て楽しそうにしている一方、運転席のママはママで楽しく運転していて、ファミリー感があるのに親子が分離されていることをアピールしたものでした。ママのパーソナルスペースが確保されている、という打ち出しは彼女たちのインサイトをうまく突き、その車は売れました。
2026年現在、彼女たちの多くは40代──本書で取り上げている団塊ジュニア世代・ポスト団塊ジュニア世代──になっています。「たった5分でもいいから子供が消えてくれれば」という“秘めたる欲望”を口に出せる世代。そんな彼女たちが、子育てが一段落してわき上がってきた別の“欲望”を満たすための手段のひとつが、既婚者合コンになっているのかもしれません。
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