少し悔しそうな洋子さんをなだめて、里佳さんが言いました。
「最後にナマの嵐に会えるだけでありがたいじゃない、と思ったんですが、口の悪い職場仲間に『徳が足りなかったんじゃない?』なんてからかわれたのが地味に効いてきて。洋子さんと2人、なんで東京公演に絞らなかったんだろうなんてウジウジしてたんですけど、会場に入ったらそんな気持ちも吹き飛びました。PayPayドームのスタンド下段席は東京ドームより近く感じるし、嵐に会えるならどこだって最高ですよね」
PayPayドームのライブでの収容人数は最大で約52000人、東京ドームでは約55000人なので、PayPayドームのほうが気持ち小さめです。
当たった座席の場所にもよりますが、より近くに嵐を感じられたのかもしれません。
「それに……」と洋子さんが微笑んで言いました。
「考えてみれば、私たちは今日嵐に会えて、最終公演にも配信で参加できる。ラストツアーを2回楽しめるんですよ。最終公演をナマで観られるのはもちろんうらやましいけど、2回嵐に会えるのもだいぶよくないですか?」
そう笑って、2人は前方の本人たちの席へ向かっていきました。
この日は子どもを夫に任せてライブに参加した女性も
やがて福岡最終公演の幕が上がり、どの一瞬も少しのにごりもなく“嵐”な彼らの勇姿をこの目に焼き付けました。
感動さめやらぬ帰り道、PayPayドームの最寄り・唐人町駅ではライブに参加した妻と合流する父子を見かけました。
大野智さんのうちわを手に、「今日は(子どもを)見ててくれてありがとう。大ちゃんにもありがとうって言えたよ」と駆け寄る女性と、「よかったね」と迎える男性の姿に胸が温かくなりました。

