約5万人にひとりの割合で発症する先天性の疾患「トリーチャー・コリンズ症候群」の当事者として発信をする山川記代香さん。トリーチャーコリンズ症候群は、頬や顎の骨、耳などが形成されないことから、見た目に加え、呼吸や聴力の問題、口蓋裂といったさまざまな困難が生じるという。

 生まれた直後からはじまったという数々の治療と、“視線の凶器”との戦いについて、山川さんに聞いた。

山川記代香さん

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出生後、すぐに母と別の部屋に連れて行かれた

――今日はよろしくお願いします。今、治療は落ち着いているのでしょうか。

山川記代香さん(以下、山川) そうですね。治療という意味ではもう今の時点でできることはないと、先生から言われています。

――これまで16回も手術を受けてこられたそうですね。

山川 昨年10年ぶりに手術をしたので、計17回になりました。

――昨年の手術はどういったものだったんですか?

山川 治療ではなく見た目の修正というか、両親譲りの鷲鼻をちょっと削って鼻の存在感を抑えるようなものだったんですけど、結果的にはあんまり変わらなかったです。

 もともと一般的な人より鼻の通りが狭いので、鼻を削ると呼吸もしにくくなってしまうということで限界があったのと、睡眠時無呼吸症候群の診断を受けていることもあって、余計に危ないね、と。もともとトリーチャーは顎が小さい人が多いので、睡眠時無呼吸症候群が少なくないんです。

――山川さんは先天性の疾患「トリーチャー・コリンズ症候群」の当事者として発信をされています。トリーチャー・コリンズ症候群とはどんな病気か教えてください。

山川 簡単に言うと顔の骨がうまく形成されない難病で、約5万人に1人が発症するといわれています。

――トリーチャー・コリンズ症候群がわかった経緯は?

山川 妊娠中は母子ともに健康と太鼓判をもらっていて、出産自体も2時間くらいの安産でめちゃくちゃ順調だったんですが、すぐに私は別室に連れて行かれてしまい、母はがらんとした分娩室に1人取り残されてしまって。

 1人目の時とあまりに違う雰囲気に母はすぐ異常を察知したそうですが、怖くてその場ではお医者さんに深く聞けなかったそうです。