首都圏でイオンを待ち受ける「強力すぎるライバルたち」

 再編で言えば、首都圏地盤の西友を買収したトライアルは、融合を進めつつ西友の「トライアル化」を進めている。小型店のトライアルGOも投入して、急速なキャッチアップを狙っている状況だ。

 中部からはバローが横浜に初出店して話題を呼んだが、生鮮売場の集客力は凄まじい。中でも特徴的なのは鮮魚売場だ。以前の記事でも触れたように、さながらアトラクションのようでオープン直後には客でごった返していた。バローは「首都圏本格参戦」を宣言しており、目が離せない。

鮮魚売場は大盛況を見せている(YouTubeチャンネル「バローチャンネル」より)

 そもそも、首都圏の有力食品スーパー(オーケー、ロピア、ヤオコー、ベルク、マミーマート、ベイシアなど)は、国内最強と言われるほどの競争力でしのぎを削り合っており、店舗ベースではイオンといえども勝っているとは言い難い。そんな中、イオンは規模とインフラといった総合力を投入した最終決戦に臨もうとしているのである。

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 図表3は首都圏を地盤とするスーパーの売上と、近年の売上増加額(2018年度~2024年度)を示したものだ。

図表3(関東地方の主要スーパー売上推移)

 2024年、USMHにいなげやを迎えたイオンはグループとして首都圏でも既にトップシェアになっている。ただ、M&Aの結果として大きくなってはいるものの、傘下の個社を見るとちょっと見え方は変わる。というのも「売上をどれだけ伸ばしているか」、つまり個々の勢いという点では決して優位に立っているわけではないことが分かる。

 首都圏で大きく数字を伸ばしているのは、ヤオコー、オーケー、ベルクといったスーパーだ。これらのチェーンは1000億円単位で成長しているのに対して、USMH各社も業績を伸ばしてはいるが、1桁違い・数百億円の実績でしかない(ロピアは全国ベースなので参考値)。このうち、まいばすけっとが1300億円増と存在感を示すが、USMHの老舗銘柄は明らかに見劣りする。イオンがやっと築き上げた大都市圏でのトップシェアは必ずしも安泰とは言えないのだ。

イオンの「強力なライバル」になりそうな存在とは?

 さらに、今回のような駅前などに多い高層フロアを持つ総合スーパーの再生はこれまで「イオンの独擅場」と思われていたが、近年は強力なライバルも登場している。続く記事では、これからイオンと激しいバトルを繰り広げそうなそのライバルを中心に、今後の業界を展望をしてみる。

次の記事に続く ドンキはイオンに勝てるのか? 新業態「ロビン・フッド」がスーパー業界にもたらしそうな“劇的変化”

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。