――TBSの面接で印象に残っていることは。

木村 日テレがそんなふうに落ちたので、正直に行くしかないなと思って。TBSのときは「何したいですか」と聞かれて、「アナウンサーになりたいんですけど、お天気を伝えたいですね」と。

「朝一番に『おはようございます、今日のお天気は』って元気に言われると、その日を気持ちよく過ごせるじゃないですか。そんなふうにお天気を伝える人になりたいです!」とか、そんなことをバカ正直に話してしまって。

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 それが一次面接で、その帰りに電話ボックスから母親に「ごめんね、また落ちたと思う。ニュースを読むよりも、お天気を伝えたいとか正直に言っちゃったから無理だよね」なんて話してたら、次の面接にも通してくれたんですよ。

「永田町で地下鉄を降ろされた」一次面接の初日に地下鉄サリン事件が発生

――かしこまっていなかったのが良かったのですかね。

木村 次の面接も「え、今の答えでいいの?」って感じで通って。だんだんそれでTBSに興味を持ち始めて。「こんな小娘の話を一生懸命聞いてくれるなんて」と、だんだん人に惚れ込んでいくっていうのはありました。

 あと、一次面接の初日が地下鉄サリン事件の日だったんですよ。

――1995年3月20日。

木村 TBSに行く途中、永田町で地下鉄を降ろされたんです。あんな大変な事件が起きていたことがわからなくて、「何があったの?」という状態で。携帯電話も持っていなかったし、それまでTBSはもちろん、赤坂も行ったことがなくて。道ゆく人にTBSまでの行き方を聞いて、なんとかたどり着いて。

 報道の方たちが面接官を務めることになっていたんですけど、みなさんサリン事件の現場に出ていて、代わりにバラエティーの方たちが面接をしてくれたんですよ。

 

セクハラされて大泣きしたら、「それくらい普通だよ」と…

――いざ入社してみて、「思っていたのと違うな」と感じたことが多かったのでは。

木村 こんなにも体力勝負なのかとか、寝られないとか。当時は働き方改革も何もないから、そういったものは無視されるわけじゃないですか。

 これはTBSでの話というわけではないんですけど、20~30年前だったのでセクハラもありましたね。大泣きしてたら、「それくらい普通だよ」と言われて。衝撃でしたね。

――どんなセクハラを。

木村 胸を触られたりとか。飲み会の最中とかにそんなことをするんですよ。ビックリして、ほかの人に相談したら、「え、そんなんで泣く?」って言われて。「いや、泣くでしょ、普通。泣かないの?」って。

撮影=石川啓次/文藝春秋

次の記事に続く 「トイレで涙がブワーって」入社直後にセクハラ被害、激務で生理が8か月ストップ…元TBSアナ・木村郁美(53)が語る“アナウンサー時代に迎えた心身の限界”

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