――相当ですよね。

木村 つらいと思うと余計きつくなるから、あんまり考えないようにしていた時期があって。

 でもアナウンサーって、番組のピースのひとつにすぎないんですよね。やっぱり番組って、チームで作っていくものじゃないですか。チームでやってる感がすごい好きだったので、自分だけが忙しいとか、自分だけがつらいわけじゃない。

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 スタッフもみんなそうなので、文句なんて言えないし、忙しくて当然だと思ってましたし。それで数字が良かったり、番組がいい感じに完成するとうれしかったですし。

「生理が8か月ストップ」「帯状疱疹が出た」多忙すぎる日々に心身の限界を迎え…

――気持ち的にはそうであっても、体は悲鳴を上げそうですよね。

木村 帯状疱疹が出たりとか、生理が8か月ストップしてて、そのあともずっとピルを飲まないと来なくなったりとか、婦人科系は結構きつかったですね。膀胱炎になったりとか。

――そうした不調は、誰かに相談していましたか。

木村 それを言うと、いわゆる愚痴になっちゃうんですよ。言ったところで改善されるわけでもないので。産業医の方もいらっしゃいましたけど、行かなかったですね。

 あと、今は労働時間って決められてるんですけど、私のときは残業を青天井につけられるような時代ではあったので。オファーが来たお仕事、やっぱり「木村と一緒にやりたい」と思ってお話をくれた仕事は断りたくないじゃないですか。

 私が退社するぐらいのときって、もう労働時間が決められていたから、オファーが来てるのにそれを引き受けられない子とかもいたりして。私は来たもの全部をやりたかったので、そこは自己責任なんですよ。

 だから愚痴を言ったり、会社に訴えたりっていうのは、「じゃあ断ればいいじゃん」っていう話なので。

 

「あの時代があったから今の自分がいる」

――その考え方、我々の世代だとよく分かります。

木村 私たちより下の世代の子たちは、ある意味でかわいそうだなと思うこともありますよね。

――どういった意味でかわいそうだと?

木村 あくまで私の意見ですけど、やっぱり厳しくされるほうが、自分の成長はあるし。たとえば料理の世界って、師弟的な面で厳しいように見られるじゃないですか。叱られながらも、そこで技を自分のものにしていくという。

 私、食の関係のお仕事もやらせてもらってるんですけど、お会いする大将や親方は、そういう経験をしてきた世代なんです。

 だけど今はつらいとすぐ辞めちゃうから、昔ながらの厳しい修業じゃだめで、褒めに褒めると。どっちがいいんだろうなって。

 私はやっぱり自分がそうだったからかもしれないですけど、ゆくゆくは財産として残るのは厳しいほうなのかなって。あの時代があったから今の自分がいる、と堂々と言い切れるので。