「あ、これ木村さんの元旦那だ」生放送中に元夫が逮捕され…
――離婚後に元夫は逮捕されますが、そのニュースを木村さんが読みそうになったとか。
木村 そんな日に限って、生放送のブースの中でニュース原稿を読む担当だったんです。でも、私が読む直前で後輩に交代になって。「なんでだろう?」と思ってニュース原稿をチェックしたら、そのニュースで。
後輩が「あ、これ木村さんの元旦那だ」と気づいて、読ませるのはかわいそうすぎるって代わってくれたんですよ。
――後輩が読む逮捕のニュースにどんな思いが。
木村 どこかホッとする感覚もあって。「やっぱり相手はプロだったから、私はだまされても仕方なかったよね」って。それまでは自分を責めまくってたので、解放されたといいますか。
で、彼の苗字って旧字の漢字が使われているんですけど、テロップでは新字にされてたんですよ。「今後、私以外の被害者を出したらいけない。だから、正確な名前で報道しなければ」と、ニュースの担当の方に「これ、字が違うので訂正してもらえませんか」と言いに行ったのを覚えてます。
「元夫に渡した預金は1円も返ってきてない」
――後輩が気づいてくれなかった場合、ご自身でそのニュースを読むことはできたと思いますか。
木村 読んでます。絶対に読んでます。私はアナウンサーだし、生放送だし、そこは読みます。頭は真っ白になりながらも、絶対に読んでます。
――逮捕のニュースが出て、周囲の反応は。
木村 社内では誰も触れなかったんですけど、ほかの局がCM跨ぎで「TBSアナウンサー木村郁美の元夫逮捕!」みたいな感じで報じていて。それを見たうちの報道が怒って、「これ、訴える」と言ってくれたんですけど、「もういいです、そっとしておいてください」って。
――元夫に渡した預金って。
木村 1円も返ってきてないです。借金整理の一環で、銀行に悪魔とやり取りした明細を出してもらったら、私が貯金を預けた次の日に、預けたのと同金額のマンションを買ってるんですよ。でも、現金で買っているので、そうだとは立証できなかったです。
――同じような被害に遭った方々、遭っている方々に、なにかメッセージがあれば。
木村 渦中にいるときって、「明けない夜はないよ」とか「神様は乗り越えられない試練は与えない」とか言われるけど、なにひとつ響かないんですよね。聞かされる側からすると「何言ってんだ」みたいな。キツいものはキツいんです。
だから、私が言ったこともスルーされちゃうかもしれないけど、まずは「そのあと幸せになれてる人もいるなら、私もなれるかも」ぐらいに思ってもらえたらいいなと。
撮影=石川啓次/文藝春秋
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