「マウント取れる服、買わなくてはいかんかも」
私は日本の最高生地を使った服や日本最高の職人さんが作った服は持っていませんが、安藤議員の御指摘は一理ある気がして、クリーニングから戻ってきた服の中から、「安物に見えない服」「なめられない服」を選ぶことに数時間を費やしました。
結局、手持ちが少なく、皆様が見慣れたジャケットとワンピースの組み合わせで荷作りを終えましたが…。
外交交渉でマウント取れる服、無理をしてでも買わなくてはいかんかもなあ。
高市首相は、安藤議員の意見を受け入れて、服を選ぶのに時間をかけたと述べています。結果として、ふだんよく身につける組み合わせを準備することになったといいますが、高市首相の発言でも注目すべきは最後の部分です。
「外交交渉でマウント取れる服、無理をしてでも買わなくてはいかんかもなあ」。
首相のポストとしてはフランクな発言であったために驚きをもって受け止められました。「マウントを取る」という表現は、自分が相手よりも優位であることを見せつける言動を意味しており、否定的に用いられることの多い言葉です。ひょっとしたら「見栄えのする服」ぐらいの意味合いであったのかもしれませんが、真意は不明です。
いずれにしても、このような表現が飛び出すこと自体が、結局、日本の外交がいまだに外見的な形式におおいに囚われていることを表しています。
服装で物議をかもした石破内閣
それでは国内的にはどうでしょうか。高市内閣の閣僚たちはその身なりに関して話題となることはあっても、大きな批判はないようです。それよりも物議を醸したのは、前石破内閣でした。
2024年に発足した石破内閣の記念写真がさまざまな批判を呼び起こしたことを、覚えている方も多いと思います。日本では新しい内閣が誕生すると、首相官邸で記念写真を撮る習慣があります。官邸の赤い絨毯敷のうえで、首相や閣僚がモーニングコートを着て撮影に臨みます。
モーニングコートとは、前から後ろ裾にかけて曲線的に尾を長く引く上着に、縞柄のズボンを合わせる正装です。このとき首相と閣僚も慣例に従って、モーニングコートを着ていました。いったいなにが問題だったのでしょうか?(つづく)
