果たして次世代ハード戦争の覇権を握るのはどのゲーム機なのか?

 ゲーム機の人気は、必ずしもそのハード性能だけでは決まりません。そのハードを買えばどんなゲームが遊べるのか? そのハードでしか遊べないゲームは何なのか? セガ、ソニー、任天堂の3陣営はそれぞれに人気シリーズを抱えるサードパーティーの獲得競争をおこないました。

 そんななか、重要な口火をきったのが、FFでした。

『ファイナルファンタジーVII』スクウェア・エニックス商品紹介ページより

 スクウェアは、ずっと任天堂のハードでのみ発売していたFFシリーズをプレイステーションへと移籍する決断をし、1997年に『ファイナルファンタジーⅦ』(FF7)を発売します。FFという話題作の獲得で勢いづいたPSは、販売台数を一気にのばしました。そうなると次は、「ドラクエは一番売れているハードで出す」という方針から状況を静観していたエニックスも、PSでの『ドラゴンクエストⅦ(*2)』(ドラクエ7)の発売を決定します。

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*2 『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』生みの親である中裕司が「(セガサターン用に)『ドラゴンクエスト』を3Dで作って、エニックスさんにプレゼンしたこともあった」と証言していた。

 スクウェアとエニックスのこの選択は、PSが「次世代ハード戦争」で実質的な勝利を収める一因となった大きな出来事でした。

ファミコン時代のドラクエとFFはライバル?

 このように「次世代ハード戦争」の勝敗を決定付けるひとつの契機でもあった『FF7』。本作は、ドラクエとFFの関係を語るうえでも、劇的な一作でもあります。ここで、両シリーズの販売本数を初代『ドラクエ』と初代『FF』から振り返ってみましょう。

 1986年にファミコンで発売された初代『ドラクエ』の販売本数は150万本です。いま150万本という数字をみると「最初からいきなり大ヒット」という感じがしますが、実は当時のファミコン市場は、社会現象レベルの「ファミコンブーム」の最中でありながらゲームソフトのラインナップがまだそれほど飽和しておらず、今では考えられないほどの「出せば売れる」状態でもありました。