近年、お金に対する考え方が変化している。かつては節約して貯めていれば安心だったが、インフレが続く今、持っているだけでは資産は目減りする。また実質賃金の伸び悩みもあり、若い世代を中心に資産運用が当たり前になりつつある。本書はそうした変化を背景に、次世代がこの先の社会を生き抜く上で必要な金融リテラシーを説く。発売前に重版がかかり、アマゾン総合ランキングで1位を獲得するなど大ヒット中だ。
著者はアメリカのUCバークレー卒業後、外資系金融機関などでキャリアを積んだ一児の母だ。現在は日本最大級のオンラインコミュニティを主宰し、日々お金に関する最新の情報を発信。その発信力と信頼感から、今の時代にふさわしい書き手として依頼したという。
「著者も子どもへの金融教育についてよく質問されていたそうなんです。本書の『ママからわが子へ』というコンセプトはそのアンサーになると、ご快諾いただけました」(担当編集者の宮寺拓馬さん)
第1章でインフレ経済を前提に、お金は貯めるものという感覚・考え方をリセット。第2章では経験に投資する重要性を説き、お金の使い方を見直す。第3章は資本主義社会での「稼ぐ力」の磨き方を示し、第4章ではグローバル社会においてお金を増やすために大切なことを解説。子どもに直接語りかけるのではなく、親が子どもにどう伝えるかという体裁をとっている。そのため金融知識のない大人にも理解しやすくなっているが、本書が提示するのはノウハウではない。お金で選択肢を広げ、自分の人生の主導権を握るための生き方論だ。
読者は子育て中の30〜40代の女性がメイン。娘が9歳の時に著者が始めたという「おこづかい丸投げ制度」を紹介した記事配信が評判を呼んだ。1カ月に5万円を渡し、洋服も文房具も間食も、友だちとディズニーランドへ遊びに行くのもすべてその中でやりくりさせるというもの。金額に目が行くが、子ども自身に使い方を考えさせる点に主眼がある。
「『我が子に教えたい』だけでなく、『自分のためにお金や時間を使いたくなった』といった感想も。本書が生き方を見直すきっかけになっていることを実感しています」(宮寺さん)
2026年1月発売。初版7500部。現在7刷6万5000部(電子含む)
