調達金利の上昇

 金利の引き上げは不動産投資を行う側からみると調達金利が上昇を続けていることを意味する。不動産投資における期待利回りはベースとなる国債利回り(リスクフリーレート)にどれだけのリスク(リスクプレミアム)を上乗せするかで決定される。1年前と比べてリスクフリーレートが1%上昇しているならば、1年前に期待利回り3%で都心不動産に投資していた投資家にとって、今年は同じ物件であってもリスクプレミアムを同じにしたとしても期待利回りを4%に引き上げなければならなくなる。利回りを引き上げるには分子である家賃収入を30%以上値上げできれば、相場は保たれることになるが、急激な家賃上昇に耐えられるエリア、物件には限りがある。

 つまりこれ以上の価格の上昇には期待利回りの低下ないしは家賃の急上昇を見込まなければ価格の上昇を保つことができずに下落に向かうことを意味している。

転売で利益を確保する中小デベロッパーの存在

 これは収益還元的に不動産投資マーケットを見た場合の話だが、実際のマーケットは違った側面がある。売買を繰り返してキャピタルゲインを得る転売ヤーの存在だ。国内外の個人投資家などがマーケットを跋扈しているというように見られがちだが、実際にはこの領域に多数の中小デベロッパーと不動産仲介会社が関与していることは意外と知られていない。

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 中小デベロッパーの多くはこれまで郊外などを中心に土地を仕入れ、マンションを建設、分譲をしてきた。だが昨今の地価の上昇と建設費の途方もない急騰は、彼らが供給するマンションの原価高につながる。都心マンションであれば富裕層や投資家が喜んで買ってくれるかもしれないが、彼らの主戦場である郊外、地方マーケットでは実需層のみがお客さま。販売価格が実需にミートしない物件では販売在庫を抱えてしまうことになる。

 そこで都心部で大手が分譲するタワマンなどを20戸、30戸とまとめ買いをし、転売することで売り上げ、利益を確保している。これを業界では「専有卸し」と呼ぶが、大手デベロッパーにとっても大量に販売しなければならない住戸をまとめて購入してくれる彼らの存在はありがたい話なのだ。