こんな話をすると隠しているわけでもない年齢がバレてしまうが、学生時代にカラオケに行くと、決まってプリンセス プリンセスの「M」を涙ながらに歌い上げる女友達がいた。リアルタイムのプリプリ世代とはちょっと違うのだが、まあ確かに「M」はなかなかの名曲であることは間違いない。

戦後まもなく地図から消えた「幻の軍用線」の痕跡をたどる 撮影=鼠入昌史

 そしてこの名曲の舞台になっているのが、なんと赤羽らしい、ということを知ったのは最近になってからだ。赤羽といったら安くて旨い酒場がひしめく、いわゆる“せんべろの聖地”。そんな庶民的な町と、「M」の切なくも美しい世界観とはどうにもミスマッチのような気がする。

 が、見方をひとつ変えるだけで、赤羽だって実に美しい一面を見せてくれるのかもしれない。そんな風に思いながら赤羽の町を歩いていたら、木々の豊かな小さな緑道を見つけた。赤羽駅西口を出て、線路沿いを少し北。高台の上に境内を持つ赤羽八幡神社の近くから、さらに西に向かって続いてゆく、赤羽緑道公園だ。

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緑道公園に姿を変えた“ナゾの軍用線”

 赤羽緑道公園は、ただの道路とはまったく違った、なんともいえないカーブを描いている。心なしか、ほんのり上り勾配になっているような気もする。

 ハッキリした登り坂ではないのも、この緑道の特徴か。道沿いはどこもかしこも住宅地。少し離れたところには、東洋大学のキャンパスが見える。

 

 足元に目を向ければ、レールとまくらぎをあしらったかのようなタイルが敷き詰められていた。

 

 周囲の町並みからはいくらか浮いた感すらある、この緑道。これは、かつての東京陸軍兵器補給廠専用線の廃線跡なのである。

今は住宅地が広がる一帯に、かつて軍用線が走っていた。

 というわけで、さっそくこの廃線跡を終点まで辿ってみようと思う。