高架の下からスタート
スタート地点は、例の神社のすぐ近く。いまでは神社のある高台の下をトンネルで潜ってゆく新幹線・埼京線や、その東を通る京浜東北線・東北本線はともに赤羽駅から高架で北上している。
ただ、東北本線や京浜東北線が高架化されたのは1998年のことだ。
だから東京陸軍兵器補給廠専用線が現役だったその時代は、地上を走っていた東北本線。専用線はそこから分岐して、神社の前を通って西に向かっていた。なんでも、神社に入るには専用線の小さな踏切を渡る必要があったという。
そして例の緑道へ。東京陸軍兵器補給廠専用線、つまりその名からは軍用路線であったことがうかがえる。
その名の通り陸軍の施設に向かって走る軍事路線。だから廃止されたのは戦争が終わったのとほぼ同時、おおよそ80年ほど前のことである。なのに、いまでもその跡が緑道公園としてハッキリ残っているのは、だいぶ珍しいのではなかろうか。
地元民からは忘れ去られた?
ただ、緑道公園が廃線跡であることを明確に教えてくれるような説明書きなどはどこにも見当たらない。
せいぜい、足元のレールっぽいデザイン、そして赤羽並木通りをオーバーパスする部分の階段の手すりが車輪のようなデザインになっていることくらいなものだ。
廃線跡は、いわば軍都・赤羽の名残といっていい。それを積極的にアピールするのも憚られる、といったところなのかもしれない。
いずれにしても、80年経っても都心の真ん中の廃線跡を辿れるというのは僥倖に他ならない。しばらくは、この緑道公園を歩いてゆこう。


