キング・オブ・ポップとして世界を代表するエンターテイナーとなったマイケル・ジャクソン。今回の映画『Michael/マイケル』はその道程が描かれるが、本人が出演した「映画」となると、その数は少ない。だが、本人は「映画」へのこだわりが大きかったという。その理由とは……。
伝説のSFファンタジー『キャプテンEO』
5歳からショービジネスの世界で活躍してきたマイケルが初めて映画に携わったのは13歳の時、映画『ベン』(72年)のテーマ曲を歌ったことだった。警察から追われるネズミと孤独な少年の友情を描いた同作にマイケルは強く感情移入し、10年後の『E.T.』(82年)ストーリーブックのナレーション仕事へつながっていく。
19歳の時には児童文学「オズの魔法使い」を黒人だけのキャストで描いたミュージカル映画『ウィズ』(78年)にカカシ役で映画初出演。カラスの集団にいじめられていたカカシはダイアナ・ロス演じる主人公ドロシーに助けられ、願いを叶えてくれるウィザードを探す旅に同行する。マイケルは毎回4~5時間かかるため他の演者が嫌がるメーキャップを「普段の自分とまったくの別人になれるから」という理由で好んだ。これが日頃から人々をあっと驚かせたい思いと重なり、狼男に変身する「スリラー」(83年)へ結実した。
ウォルト・ディズニーを敬愛していたマイケルは、ディズニーパークのアトラクション『キャプテンEO』(86年)への出演依頼を快諾。ジョージ・ルーカス制作総指揮、フランシス・コッポラ監督による同作は、悪の女王に支配された惑星を舞台にキャプテンEOとクルーが歌とダンスで立ち向かうSFファンタジー。EOはギリシャ語で「夜明け」を意味する。
この出演をきっかけにマイケルは映画の仕事への意欲がさらに強くなったという。ちなみに悪の女王を演じたアンジェリカ・ヒューストンは2013年に出版した自伝で「この作品のオファーを受ける数ヶ月前、砂漠でマイケルと恋人同士のようにいると象の群れが突進してくる夢を見たわ。あれは予知夢だったのね」と綴っている。



