徹底した怪奇映画への愛と変身シーンへのこだわり
満月の夜、モンスターに変身したマイケルがガールフレンドを追い回すストーリーはランディスが執筆。デート中に車が故障する劇中映画のエピソードは、57年の狼男映画『心霊移植人間』の再現だ。
主演俳優として映画館の看板に記されていたのはヴィンセント・プライス。50~70年代に多くのホラー映画に出演し、マイケルも敬愛していた性格俳優で、アルバム『スリラー』の最後に流れるナレーションも務めていた。マイケルの恋人役は、当時プレイメイトとして注目されていたモデルで女優のオーラ・レイ。オーディションでのマイケルとの相性の良さから抜擢された。
モンスターの特殊メイクは、ランディスの盟友で『狼男アメリカン』で第54回アカデミー賞メイクアップ賞に輝いたリック・ベイカー。マイケルは狼よりエレガントなモンスターが似合うと、ネコ科のモンスターをデザインした。
スケジュールが限られていたため『狼男アメリカン』の仕掛けを一部流用しながら、マイケルの顔や体のパーツが変形し、毛に覆われてモンスターと化す変身シーンを4段階に分けて設計。『ウィズ』(78年)のカカシ役で特殊メイクを経験していたマイケルはメイク作業に協力的で、ベイカーはインタビューで称賛を贈っている。ほかにもベイカーと彼の工房EFXのメンバーは、踊るゾンビのメイクを担当している。
約18人のメインダンサーは手間をかけ、エキストラダンサーは簡易的なメイクやマスクを使ったが、呼吸しやすいよう鼻を塞がないなど工夫が凝らされた。ベイカー本人も霊廟の扉を開けて出てくるゾンビ役で出演している。



