与党が「第一優先」としている“養子案”

 2021年の政府の有識者会議がまとめた、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する、旧宮家の男系男子の子孫を養子として皇室に迎える――この2案だ。そして、与党の自民党と日本維新の会が、「第一優先」として位置づけているのが養子案である。

「保守層の支持を受ける高市早苗首相は、男系男子による皇位継承を重視しています。先日の衆院選では養子案優先を掲げました。もともと反対していた中道改革連合も、『制度化することも考えられる』と方向転換したため、多くの主要政党が容認することになりました」(政治部記者)

 今国会の会期末(7月17日)までの成立を目指している高市首相。実際に協議が始まったのは24年5月からだが、養子案が検討され始めたのは、いまから約30年前のことだ。

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「宮内庁は男系男子による継承を守るための選択肢の1つとして、旧皇族から継承者を選ぶことを検討。1994年夏ごろには、手書きの資料も作成されていました」(宮内庁関係者)

 元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司氏が述懐する。

「今の天皇皇后両陛下がご結婚後の数年間、お子様に恵まれず、秋篠宮家にも男子がいらっしゃらなかった頃のこと。宮内庁は『具体的な方策を検討する』段階にあると判断し、ひとりのプロパーのキャリア官僚が特命を受け、極秘に調査を進めていました」

議論を見守る天皇皇后両陛下 ©時事通信社

 この時は女性皇族に継承権を与えることと併せて、検討されていたという。ただ、当の旧宮家にとっては寝耳に水だったようで、

「この案を耳にした、当時の東久邇家の当主・信彦氏(故人)は、皇籍復帰は『ありえないだろう』と笑っていました」(前出・関係者)