胸囲130センチMカップでグラビアを中心に活躍するねぎとろまるさん。体型への悩みを一人で抱え込まざるを得なかった背景には、過酷な家庭環境があった。

©文藝春秋 撮影・細田忠

 父親のパチンコ依存で家庭が立ち行かなくなり、ねぎとろまるさんが2歳のときに両親は離婚。母子家庭で育ったが、母親は数年後に再婚予定だった男性との破綻でうつ病を発症し、毎日「死ぬ」と泣くようになった。

 再婚した新しい父は“放置型”で、母がオーバードーズして泡を吹いて倒れても我関せず。近所に住む祖母も日中は不在で、幼い彼女が救急車を呼び、自殺未遂を防ぐために学校を休んで見守るしかなかった。

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 そんなねぎとろまるさんには、「私が助けなきゃ」という切迫感が幼い頃から染みついてしまったた。小学生の頃から「落ち着いてるね」と言われることが多かったが、「誰にも頼れないから落ち着くしかなかった」と振り返る。

 その結果として、学校で体型のことをからかわれても家で打ち明けられる状況ではなかったという。「大人を頼っても何も変わらない」という失望が、子どもの頃から彼女の中に根を張っていった。

©文藝春秋 撮影・細田忠

「6000円貸して」と娘にラブホテル代をねだる母親

 状況が変わったのは中学に入ってからだ。2度目の離婚後、母は新たな恋人に夢中になり、家にほとんど帰らなくなった。そして戻ってくるたびに「6000円貸して」と娘に頼むようになる。

 不思議に思っていたが、すぐにそれが母と恋人のラブホテル代であることに気づいた。「おばあちゃんにもらったお小遣いを渡すんですけど、一度も返ってきませんでした」。思春期の娘に金を借りる母を前に、ショックを受ける感覚さえ次第に失われていった。

 それでもどこかで「私のことは愛してくれている」と信じていた。その最後の糸が切れたのは中2のある日、車の中での出来事だった。母はドライブ中、軽いノリでこう言い放った。

「この人と住むから、あんたおばあちゃんち住まん?」

 頭が一瞬真っ白になり、「こんなよくわからない男のために私はいらないのか」と悟った瞬間、信じていたものが一気に崩れ落ち、泣きわめいたという。それでも母はその恋人と別れず、娘の教育ローンにまで手をつけ、何百万もの金を貢ぎ続けた。

©文藝春秋 撮影・細田忠

 22歳のとき、仕事と友人を同時に失った孤独から自殺未遂に至る。入院中に気づいたのは、「メンタルが不安定なのは、ずっとお母さんの近くにいるからだ」ということだった。

幼い頃から世話をし、振り回されてきた母との関係から「このままじゃダメだ、逃げないと」と上京を決断。23歳で5万円とキャリーケースひとつを手に夜行バスで奈良を離れ、ようやく自分の人生を歩き始めた。

 母から離れた先で、ねぎとろまるさんはどのようにして今の自分を取り戻していったのか。その後の歩みは、本編インタビューで詳しく語られている。

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