生産性が10倍に――仕事のすべてが爆速になった
――コーディングエージェントを極めようと決意したんですね。
牛尾 そう、自分でコーディングしたほうが早いような場面でも、あえて封印して、チャットウィンドウとしか仕事しないようにしたんです。システムや要件を調べるところからエージェントにやらせて、コードを書かせて、テストもエンドツーエンド(E2E)でやらせて、最後に自分に説明させて理解して、プルリクエストもつくってもらって。ステータスチェックも、レポート作成も、すべてエージェントにやらせる状態にした。
どうやったら各タスクで、エージェントに精度高く効率的に動いてもらえるかを徹底的に探っていったんですね。まさに部下を育てるように。
――するとどうなりましたか?
牛尾 数ヶ月後には、文字通り、生産性が10倍にブーストされたんです。もう圧倒的に仕事のすべてが爆速になった。今では部署内でもトップクラスでコーディングが速い水準に成長できたし、週末の2日もあれば、運用できるレベルのアプリもつくれてしまう。
今は、僕の意図をよく理解する非常に優秀な部下が3人も4人もついて、常に並行して作業をやってくれているような感じです。エージェントをうまく動かせたときは本当に気持ちがいい。
――AIが自動でどんどん仕事をやってくれるわけですね!
牛尾 「自動」といっても、AIエージェントに任せきりだと、「アホな」挙動をすることがよくあります。なるべくAIがデタラメな振る舞いをしないように、ハルシネーションを起こさないよう、うまく制御する様々なテクニックがあって、AIという部下は、「コンピュータサイエンスの基礎的な理解」と、「人間の適切な介入設計」があってはじめて真価を発揮してくれます。
実際プロの現場で求められる水準でアウトカムを出すには、AIエージェントに「丸投げ」するのではなく、エンジニアリングとしての適切な指示と手順が必須です。
新著には、世界一流のエンジニアたちが実際に行っている「AIの育て方」のエッセンスを余すところなく凝縮しました。
――生成AIにあまり明るくない人でも取り組めますか?
牛尾 もちろんです。エンジニアの方々に刺激になるような最新の知見を盛り込みつつ、初心者の方もチャレンジしやすいよう、本書の特典で「アプリ開発」が体験できるGitHubリポジトリも用意しました(現時点で、GitHub Copilotが一時的に有料プランの新規受付を停止していますが、他のAIモデルでも利用できます)。
本ではGitHub Copilotを使って解説していますが、Claude Codeなど、他のAIエージェントをお使いの方々にもそのまま応用できる技術と思考法ばかりです。まずは恐れることなくジャンプインして、AIエージェントの面白さを楽しんでみてほしいと思います。
みなさんがAIエージェントで大いに得をして、仕事の可能性を広げていただけたらこれほど嬉しいことはありません!
