師匠とはたまに電話をする仲

――最近の磯谷先生のご活躍を山崎先生は喜んでいらっしゃるのですか?

磯谷 そうですね。加藤桃子女流四段との清麗戦は大阪対局だったのですが、ちょうど山崎先生のご両親が広島から大阪にいらしていて。山崎先生は対局中継を見ながらご両親に「弟子が負けた」と言ったそうです。ほぼ負けの局面だったのですが、そこから逆転して、ご両親と喜んでくれたと聞きました。

 他の対局でも、私が勝てばよく連絡をくれて、喜んでくださっています。先生も私も、負けると連絡は途絶えます。

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©︎文藝春秋/杉山秀樹

――山崎九段と言えば、ABEMAトーナメントのXアカウントで発信していたとき、独特の文章が話題になったこともありました。メールの文が難しい時もありますか。

磯谷 確かにそういうこともあるかも(笑)。難しい時は深く考えず「お互い頑張りましょう」みたいに簡単に返信して、終わりにしちゃうこともあります。でも、山崎先生もそれで気を悪くされたりはしません。

 メールではなく電話でお話しすることもあります。将棋の話をしていたはずが、いつの間にか会話が脱線して、山崎先生が作った料理の話になっていることもありますね(笑)。「これはラクに作れるんだ」という感じで。

――料理といえば、磯谷先生は自炊はされるのですか。

磯谷 自炊してます。母が凝った料理が得意で、今日は母のレシピでハンバーグを作ってから来ました。昼、夜、朝連続で、ハンバーグを食べることもあります。

 外食も好きで、サラダだけで1500円するサラダ専門店に「高いな」と思いつつ行ったり、ちょっといいお寿司屋さんに行ったりもします。

――山崎先生と将棋を指して教わることもあるのでしょうか?

磯谷 最近になって増えてきました。2年前、女流棋士として少し棋力が伸びたかなと思った頃に一度教えていただいたのですが、全く勝負になりませんでした。そこからは、しばらくお願いできなくて。昨年の秋、女流王位戦リーグの白組で優勝したあたりで、またお願いしてみました。

 少しだけ差が縮まったのか、今度はワンチャン入るくらいになっていて。はっきり足りないところもあるけれど、最近は20分30秒で3局指して1局勝つこともあります。大阪で対局がある時は、前日に教えていただくことが多いです。前々日から行って、その日も教えていただくこともあります。

 大阪には高田(明浩)五段もいるので、そちらにお願いすることもあります。奨励会有段者や若手棋士を集めて4人の研究会をセッティングしてくれて、本当にありがたいです。

 子どもの時から知っているので、高田先生にはやっぱり頼みやすいですね。高田君と呼ぶこともありますが、基本は先生と呼んでいます。

――山崎門下は、磯谷先生の1人だけです。

磯谷 はい。だから、よく面倒を見てくれて感謝しています。奨励会時代も、女流棋士になってからも私の棋譜は全部見てくれています。たとえば5人弟子がいたら、同じことは難しいと思うので、1人弟子だからこそですよね。(つづく)

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