ちなみに「卵かけご飯専用」と銘打たれているが、他のことにも使える。利根さんのおすすめは、卵を使った料理ならフレンチトーストや茶碗蒸し、だし巻き卵など。卵を裏漉ししなくても使えるので便利だという。また、卵以外でも、ココアと牛乳、プロテインと水、納豆などを混ぜるときにも非常によく混ざるそうだ。
お客様からの手紙が何よりの宝物
今でこそ知名度・売上共にヒットしたといえるが、「発売後どれくらいから手応えを感じましたか?」と聞くと、意外な答えが返ってきた。
「実は自分たちでは『ヒット商品』という感覚はあまりありません。ただ、ひとりでも多くの方に使っていただきたいという思いで、今も1本1本、丁寧に作り続けています」と利根さん。
社長のこの思いは消費者にも届いているようである。商品を使った感想が書かれたハガキや手紙がどっさり届いている。その1枚1枚に込められた消費者の熱量がすごい。「苦手だった白身が初めて食べられるようになりました」「料理が楽しくなる」「もっと早く出会いたかった」などなど。高齢男性から「あっぱれじゃ!」とのお褒めの言葉もあった。
これらのハガキから伝わってくるのは、製造者に感謝や喜びの気持ちを伝えるところまでいかないと気が済まないという消費者たちの感動である。トネ製作所一同、このハガキ・手紙をとても喜んでいて「宝物です」と話す。たしかに板金の下請けでは経験できないことだろう。
家族と地域で作り上げたブランド
「ときここち」は、家族とトネ製作所一同、そして地域で作り上げたブランドだ。製品のウェブサイトに飛ぶと、男性が津軽三味線を弾いている動画が目に飛び込んでくる。この人は荒川区在住の津軽三味線奏者の矢吹和之氏で、コンクールなどで何度も日本一に輝いた経歴の持ち主。
矢吹さんの起用を提案したのはホームページの作成を担当した近所のブランディング会社。温かみのある文章と相まって、印象に残るサイトになっている。