北中米W杯で4大会連続の出場を果たした韓国代表主将、ソン・フンミン。そんな彼を巻き込み、韓国全土を激震させたのが2024年に起きた「卓球事件」だ。そして、その根底にある韓国代表の「欧州化」とは何か。韓国のサッカー事情に詳しい、吉崎エイジ―ニョ氏による著書『なぜ日本サッカーは強くなったのか ‟神とサッカー"から紐解く日本代表の欧州化』(徳間書店)より、一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目)
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韓国代表は崩壊した、卓球台の前で。
2024年2月のアジアカップ準決勝、ヨルダン戦の前夜。ドーハ近郊の宿舎で起きた「卓球事件」は、たんなるチーム内の口論ではなかった。このときに起きた揉み合いで主将ソン・フンミンは指の脱臼を負い、テーピングを巻いたまま翌日のピッチに立った。
韓国は低調な試合内容でヨルダンに0-2で完敗。韓国にとっては同大会のグループリーグでも対戦し引き分けた相手との失態だった。
韓国代表もまた、「欧州化」という観点から見て興味深い。たんなる概念だけではなく、この「欧州化」が実用化され結果を出した事例でもあるからだ。
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件の出来事のメインキャストは、当時イングランドのトッテナムに所属したソン・フンミンと、フランスのパリ・サンジェルマン所属のイ・ガンイン。そしてドイツ人監督のユルゲン・クリンスマン。「監督として適切な対応をしなかった」と批判された。さらに、儒教思想の影響から年齢による上下関係を重んじる韓国メディアと世論だ。
2024年アジアカップ準決勝前夜の「卓球事件」
夕食後のことだった。
当時の韓国代表メンバーのうち、若手だったイ・ガンイン、ソル・ヨンウ、チョン・ウヨン(いずれも当時=ドイツ/シュトゥットガルト、蔚山)らが先に食事を終え、ホテル内の食堂の隣の卓球スペースへと移っていった。
