メールをくださった方の子どもがいる6年生の3クラスで授業を行いました。これはふだんから、かなり大変だろうなと想像せざるを得ませんでした。

 子どもたちにまったく表情がないのです。

 何を聞いても「はーいー」と生ぬるい返事が返ってきます。

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 子どもに板書をさせると、体はふらふらとまるで軟体動物のような動きです。100名近くの保護者が見ていたにもかかわらず、能面のような表情で教室の中を歩く子も数名いました。

 校長先生によると、6年生の教室の真下が校長室で、よく上の階からドスンドスンという音が聞こえてくるので、何だと思って上がっていったら、子どもが先生を蹴ったり、たたいたりしていたと言います。

 先生たちの雰囲気からして、淀んだものでした。その日、私は給食時間を挟んで午前と午後に3クラスで授業をしました。給食時間に休憩をとるべく、少し外に向かったときのことです。

 すれちがったときにあいさつをしてもほとんど返事がありません。なんだか先生方も私のような飛び込み授業を行う存在を警戒しているように見えました。

 後日、校長先生とメールでやりとりしました。私が「職員室からもう、崩壊しているのではないですか」という話をさせていただくと、「そのとおりです」と。

 私はこの学校にも、教育虐待を感じました。

1クラス分だけが中学昇格のプレッシャー

 そもそも国立の教育大附属ですから、子どもたちには学力に関するプレッシャーがかかります。附属小学校から中学校に上がれるのは、このときで言えば3クラス中の1クラス分とのことでした。

 6年生になると、主要4教科のテストが年4回あり、その合計で1クラス分の「昇格組」が決まるそうです。最初の1~2回目で点数が昇格ラインに達しなかった子は当然、逆転の難しさを察します。同時に親から「何をしてるんだ」「塾でもっと頑張れ」というプレッシャーもかかってくる。そうなると言い方は悪いですが、テスト教科以外の音楽などの授業では暴れたり、歩き回ったりして授業が成立しなくなります。

 そこではまるで1980年代のヤンキー漫画のように、大人からの「ちゃんと勉強しなさい」という圧力に子どもが反発しているという光景がくり広げられていました。子どもたちも、その年齢で「人生に疲れている」「壊れている」といった様子でした。