――どんな家に決まったのでしょうか?

松岡 まず、家賃が3万円と超破格。なのに、70平米、3部屋もあるんです。不動産屋さんで借りたら、間違いなく倍以上はすると思うのですが、「誰も住んでいないから」と快く貸していただけました。さらにDIYも、犬や猫と一緒に住むのもOKなんです。

 場所は、八丈島の中心エリアにあります。スーパーまで車で5分だし、今アルバイトとして働いている職場にも同じくらいの距離で行けるから、生活もしやすいんですよ。

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70平米・家賃3万円の家で暮らしている(本人提供)

――「私は運がよかった」と言っていましたが、八丈島で家を借りるのは、簡単ではないのでしょうか?

松岡 そう思いますね。まず、不動産屋さんが少ないんです。実際には何軒かあるんですけど、ちゃんとホームページを運営しているのは、私が知る限りだと1軒だけ。だから、島内に“ツテ”がないと探すのも難しいと思います。

 さらに、物件数も少なくて。島から離れる人も多いから、空き家自体はたくさんあるんですよ。ただ「いつか帰ってくるかもしれないから」「自分は帰らなくても、子どもは帰るかもしれないから」といった理由で、そのままになっているところがほとんどです。

 なのに移住希望者は多いから、1年以上家探しをしている、という人も少なくないそうです。

――それなら、「いっそ自分で家を建ててしまおう」という方もいそうです。

松岡 離島といっても東京都だからか、土地だけでも数千万円以上するし、建物は、建材の輸送費がかかるから「離島価格」になってしまうんです。

 また、島外から大工さんに来ていただくとなると、交通費やホテル代もかかります。そうすると、都心と同じくらいとは言いませんが、かなり高い金額になってしまうんです。

 そういう意味では、島で仕事を見つけるよりも、家を見つける方がよっぽど大変かもしれません。

八丈島で島唐辛子を育てる松岡千晶さん(本人提供)

都会とは違う人間関係の距離

――八丈島に移住した方々は、そのハードルを乗り越えているのですね。では、実際に住み始めてからの話も聞かせてください。

松岡 まず、島民のみなさんが本当に優しい方ばかりなんです。移住したばかりの頃から、「麻雀やってる子でしょ?」と声をかけてくれて。おかげで、あまり時間をかけずに馴染めました。