――小さな島だと、人間関係が気になる人もいると思います。
松岡 やっぱり、都心より距離は近いと思います。たとえば住み始めた頃、まだ知り合って間もない方から「どこに住んでいるの」と聞かれたんです。当時はちょっと警戒して、にごして答えました。
でも、小さい島でご近所さんみんな顔見知りだから、そもそも「悪いことをしよう」って人がいないんですよね。家を聞くのも、何かあったときに助け合うためとか、理由があるんです。
実際に、昨年の大型台風で断水したとき、近所の方が「お水なくて困ってると思って」と、重い水をわざわざうちまで届けに来てくれたことがありました。
――移住して数年経った今は、人間関係の距離の近さには慣れてきたのでしょうか。
松岡 想像していたよりは密じゃないな、と思っています。何かあったときに助け合うことはありますけど、普段から深い付き合いをしているわけではないので。
移住したときに軽く挨拶して、それ以来ほぼ話したことのないご近所さんも多いです。地元の人だけでなく、移住者も多い環境ですからね。
裏を返せば、自分から動かないと、人間関係は広がっていかないんです。だから私は、意識して地元の方たちと関わるようにしていました。
たとえば、商工会の青年部や消防団に入ったり、地域の保護猫活動に参加したり。あと、近所の方に飲みに誘われたら、ふたつ返事で「行きます!」と言っていました(笑)。
現在は計4つのアルバイトを掛け持ちする生活
――そうした地元の方たちとのつながりは、仕事探しにも活きそうです。
松岡 まさにそうなんです。今、近所の定食屋さん、八丈島の特産品である明日葉の加工場、居酒屋など、計4つのアルバイトを掛け持ちしているんです。中には、地元の方とのつながりで決まったものもあるんですよ。
ちなみに、八丈島では、いくつか仕事を掛け持ちしている人が多いんです。島って、本土と比べると人口も限られているから、ひとつの仕事だけで生活していくのは、難しい部分もあるみたいなんですよね。
でもそれ以上に、「楽しいから」という理由で、いろんな場所で働いている人も多い印象です。店に来るお客さんも、一緒に働く人も、みんな顔見知り。だから、職場というよりも、安心できる大きな家族みたいな感じで働いているのかもしれません。
写真提供=松岡千晶さん
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