売却手続きと年齢で難航する賃貸探し
とても親身に相談に乗ってくれ、安心してお願いできそうなので依頼することにした。しかも、「当社としては、うちだけに依頼していただけると嬉しいのですが、専任で依頼するより、数社に『一般媒介契約』で出すほうがいいですよ」とのアドバイスもくれた。具体的には、3社程度がいいそう。あまりたくさん出すと、物件に何かあると思われたり、売り急ぎと思われるなど、足元を見られやすいのだそうだ。
アドバイス通り、正明さんの同級生の親切な不動産屋と、テレビCMも流れる大手の不動産屋、よくポストにチラシが入っているマンションの近くにある地域密着の不動産屋の3社に依頼することにした。不動産屋との契約期間は、通常3ヵ月だという。
同時に、引っ越しする賃貸マンションを探すことになった。いまのマンションの近くで、1LDKを中心に探してみる。こだわりはないが、友達の家や病院に通いやすく、広すぎない間取りがいいかなと思う。環境はあまり変えたくない。ペットが飼えると理想的だ。スマホやタブレットを使って、SUUMOやHOME’S、at homeといった不動産情報サイトで検索してみる。条件を入れて検索するのはとても楽しい。いろいろな部屋があるものだなと感心してしまう。
家賃や間取り、写真などを見て気になる物件を扱う不動産屋へ連絡してみる。正明さんも立ち会える週末に3物件を内見することになった。その中で分譲賃貸のマンションが特に気に入り、申込書に記入した。
その申込書を見た途端、不動産屋の担当者の顔色が変わるのが伝わってくる。
「お若く見えるので気が付きませんでしたが、正直申し上げますと65歳を超えますと賃貸マンションを探すのは一般的に困難を極めます。ただし、本物件は分譲賃貸ですのでオーナー様のご意向次第かと存じます」と言われ、オーナーの判断を待つことになった。
それから数日後、不動産屋から「詳細は差し控えさせていただきますが、今回は見送りさせてください」との連絡が来る。
その後も気になる物件を内見し、申し込みを何度入れるも断られてしまう。息子を保証人にしたり、保証会社を通すと言っても借りられる物件がないのだ。