ピルの服用を始めた理由

――女性アスリートにとって、生理との付き合い方は避けては通れない問題です。

 10代の頃、お腹が痛かったり気持ちが沈んだりと悩んでいましたが、友人にも話せませんでした。でも、20歳から5年間、アメリカのチームに所属していたんですが、向こうの選手は当たり前のように生理の話をするし、ピルを服用している人も多かったんです。ピルは女性アスリートにとって身近な薬なんだと分かりました。帰国後、色々説明を受けたうえで、私にとってメリットの方が大きいと思い、服用を始めました。

 生理痛が酷いと試合のパフォーマンスに影響しますし、排卵期にはホルモンの関係で靭帯が緩み、ケガが多くなってしまうとも言われています。もちろん個人差はありますが、ピルを服用することで、生理痛の軽減、生理不順の改善、PMS(月経前症候群)の緩和にも繋がります。

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――副作用などはありませんでしたか?

 私の場合は無かったですが、頭痛や吐き気などがある人もいるそうですし、どの薬も副作用は絶対あるので、納得した上で使ってほしいですね。私も、ドクターやトレーナーに相談しながら、自分に合うものを見つけるまで何種類か使ってみて、他にも疑問があったらなんでも聞くようにしていました。

 今でも産婦人科には定期的に通っていますが、自分の体の変化を分かっていたおかげで、パフォーマンスに波がなくなりましたね。

――だからこそ日本代表でも205試合に出場し、ゴール数83得点という金字塔を樹立できたんですね。

現役時代の澤穂希さん ©JMPA

 37歳まで現役を続けられたのは、自分の体を熟知していたことも大きいと思います。

 女性アスリートの体への理解はもっと進んでほしいですね。パフォーマンスのこともそうですけど、結婚し子どもが欲しい時にタイミングよく授かれるのは、自分の体のバイオリズムを知っているからこそ。生理が来ていても排卵していない場合もあるし、生理が不順になることもある。その原因を知っているだけでも、ストレスはかなり軽減されるはずです。