車道が途切れ、民家に助けを求めると…新たな情報が
しかも、道が狭すぎてUターンもままならない。この状況では不審者である自覚しかなく、万事休すだ。これは先手を打つしかないと判断した私は、即座に車を降りて近くにいた住人の方に話しかけた。民家を訪ねて来たわけではないこと、その先に行こうと思っていたことを説明し、何とかご理解いただけた。念のため、お好み焼き店のことも尋ねてみたが、「何を言っているんだ…?」という反応だった。
そして、何年か前の豪雨によって道が崩れ、通れなくなったことを教えてくれた。おそらく、2011年に発生した紀伊半島豪雨のことだろう。
「え、じゃあそれまでは、この先にも車で行けてたってことですか?」と尋ねると、そうだという。また、「この先にもトンネルがあってね。もうずっと行ってないけど」と、さりげなく重要なことをおっしゃった。
お好み焼き店はなかったが、この先にトンネルがあるというのだ。トンネル愛好家の私としては、見過ごせない情報だった。
心躍る思いがけない展開へ
「すいません、歩いてトンネルを見に行きたいので、車を停めさせてもらえないでしょうか」
「車なんか来ないから、そこに置いていけばいいよ」
許しをいただいて、ここから歩いてトンネルを目指すことにした。思いがけない展開となったが、とてもワクワクしていた。
歩き始めたのはいいが、思った以上に道が荒れている。道の上に木が倒れ、土砂が流れ込み、まるで沢の中を歩いているようだ。とても15年前まで車道だったとは思えない。時々、堆積した土砂のすき間からコンクリートがちらっと見える。これが舗装路だったのかと驚くしかない。
獣道を歩くこと10分ほどで、前方の山に穴が開いているのが見えてきた。目指していたトンネルだ。



