引き返した民家で判明したトンネルの正体
車に戻ると、特に心配はされてなくて、ひと安心した。そしてやはり、この道の先には鉱山があったと教えてくれた。山奥にあったあの素掘りのトンネルは、鉱山のために掘られたものだった。今となっては歩くのもままならない道のりだが、小さなトラックも走っていたそうだ。トンネルを抜けて、鉱山のあたりまでトラックが往来していたというのだから驚きだ。そして、民家の手前にあったトンネルも、鉱山のために掘られたものだという。
2つのトンネルとも、片方の坑口だけコンクリートで固められているのが珍しかった。今から考えると、固められていたのは鉱山がある側だけだ。私の勝手な推測だが、鉱石を積んだトラックが進入する側だけコンクリートで固めたのではないだろうか。そう考えると腑に落ちる。
お好み焼き店の代わりに見つけたもの
鉱山が閉山したのは何十年も前のことだが、その後も地元の方は山仕事などで鉱山の道を使っていた。災害によって道が崩れ、今となっては通ることがほとんどなくなった。鉱山で栄えていたヤマの痕跡は、物理的にも人の記憶からも、徐々に薄れているように感じた。
山奥にお好み焼き店はなかったが、忘れられかけた鉱山の痕跡を見つけることができて、とても充実感に満たされていた。ただし、お腹は全く満たされていなかった。再度、近くの飲食店を検索し、今度こそ実在していることを信じて向かった。
撮影=鹿取茂雄
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