北中米W杯開幕戦当日、日本の初戦オランダ戦3日前の6月11日(現地時間)。予定されていた10時半からやや遅れて始まった日本代表の練習には1人選手が足りなかった。報道陣がざわつく。「遠藤航がいない」。この時点では遠藤の離脱はまだ発表されていない。ただピッチに姿を現していないだけでどこかで治療かリハビリを行っているかもしれなかった。

 遠藤を欠いた練習はいつも通り、傍目には明るく元気に始まっていく。ジョッグをしてから、パス練習。普段との変化は見られない。長友佑都や堂安律、板倉滉といった選手たちが声を出し、その場を盛り上げていく。同時に、フィールドプレーヤーとは離れた別のピッチでゴールキーパーたちは専門的な練習を始める。

森保一監督 ©JMPA

「あ、これは」と感じた、森保監督の見たことのない表情

 森保一監督は、フィールドプレーヤーの練習を少し離れた場所から観察するのが常だ。だが、この日は少し様子が違った。フィールドプレーヤーたちのいたピッチから、報道陣のいるエリアをわざわざ通り抜け、GK練習に顔を出した。GKコーチが主導する練習に口を挟むのではなく、あくまで後方から静かに見守っている。

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 途中、筆者は森保監督と目があった。いつもであれば、明るく人の良い笑みを浮かべて会釈を交わしあうし、時には雑談になることもある。だが、この日は実に悲しそうな笑みを浮かべ軽くあたまを下げてきた。見たことのない表情だった。あ、これはと思わざるを得なかった。