中国の習近平国家主席が6月8日から9日まで、平壌を国賓訪問し、北朝鮮の金正恩総書記と首脳会談を行った。中朝両国は盛大な行事を通じて蜜月ぶりをアピールした。一連の行事で姿が見えなかったのが、西側メディアが「キム・ジュエ」と呼ぶ、金正恩氏の娘だ。なぜ、姿を見せなかったのか。
同行しているのに姿を見せないキム・ジュエ
北朝鮮の国営メディアは6日、新造した駆逐艦「姜健」に乗船して航行試験を視察する金正恩氏とキム・ジュエ氏の姿を捉えた写真を配信したばかりだった。体調不良ということでもなさそうだ。
ジュエ氏が過去、外交行事に絡んで姿を見せたのは2回。2025年5月、ロシアの戦勝記念日に合わせ、平壌のロシア大使館を金正恩氏とともに祝賀訪問した。このときは、出迎えた当時のマツェゴラ駐朝ロシア大使と握手もした。同年9月には、金正恩氏の中国訪問に同行した。ただ、中国の戦勝80周年記念パレードや昼食会などの公式行事には姿を見せなかった。
ジュエ氏不在の理由について、一部には「中国は世襲に反対している。ジュエ氏に会うことで世襲を認めた格好にしたくなかった」という指摘が出たが、考えにくいだろう。中国が世襲を嫌うのは事実だろうが、北朝鮮の内政に干渉しようとは考えていない。
韓国政府関係筋によれば、金正日総書記が2011年5月に吉林省や黒竜江省などを歴訪した際、前年9月の朝鮮労働党代表者会で公式に登場した金正恩氏を極秘裏に同行させ、中国指導部にお披露目したという。中国がその際、世襲に反対したという事実は確認されていない。

