ある一つの問題が…

 問題はジュエ氏の年齢にある。2012年秋から13年初めに生まれたとみられるジュエ氏は現在、13歳くらいだろう。北朝鮮では朝鮮少年団での活動を終えて、社会主義愛国青年同盟に入るくらいの年頃だ。北朝鮮で高位職に就くための前提である朝鮮労働党には18歳にならないと入党できない。公職に就けないため、習近平氏の国賓訪問に伴う様々な対外公式行事に出席しなかったとみるのが自然だろう。実際、北朝鮮はジュエ氏の名前をまだ公開していない。

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 25年5月のロシア大使館への訪問は、ジュエ氏を「金正恩氏の娘」として国民の意識に定着させる時期に当たっていた。朝鮮中央通信はこのときの報道で、金正恩氏の訪問を伝える文章で、ジュエ氏について他の幹部より先に、「尊敬されるお子様が同行された」と報じた。

 実際、最近は、北朝鮮市民の間で「ジュエ氏は金正恩氏の後継者だろう」という認識が定着してきている。北朝鮮国営メディアも最近、ジュエ氏の動向について文章で紹介することはほとんどなくなり、写真や映像を通じて、ジュエ氏の存在をアピールするにとどめている。

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 北朝鮮の歴代後継者はまず、党や軍などの要職で実績を積み、内部の人脈を固めたうえで存在を国民に公開してきた。金正日総書記の場合は「党中央」、金正恩総書記も当初は「青年大将」という隠語で存在をほのめかした後に、実際に世間に登場した。ところが、キム・ジュエ氏の場合は正反対で、党や軍で活動する前に、まず世間に登場した。このため、今回の習近平氏の訪朝の際のように、「後継者のはずなのに、なぜ出てこないのか」という疑問が生まれることになる。