「ご当地体操」をご存知だろうか。全国の自治体が住民の健康のため、その土地ならではの文化や名産などを活かして考案したお手軽体操。なんとその数は800近くに上るという。一体どのようなものなのか。

「体操のお兄さん」として親しまれ、数々のご当地体操を考案している佐藤弘道さん、 順天堂大学名誉教授で、2018年に行われた「全国ご当地体操実態調査」で委員長も務めた武井正子さん、東京・九段坂病院の理学療法士で千代田区の「ちよフル体操」を監修した鳥飼秀彦さんに、ご当地体操の魅力と可能性をアツく語ってもらった。※図表内の画像は自治体ウェブサイト、YouTubeより

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そもそも「ご当地体操」とは?

 佐藤 武井先生は全国のご当地体操を調査されたんですね! 僕もこれまでたくさんの体操の制作に携わらせてもらいましたけど、そもそも「ご当地体操」って、どこからどこまでを指すんでしょうか。

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(左から)武井正子さん、鳥飼秀彦さん、佐藤弘道さん ©文藝春秋

 武井 私が2018年に「健康・体力づくり事業財団」の依頼で全国のご当地体操の実態を調査した際は「自治体主導で考案された体操、または普及している体操」と定義しました。そして、調査の結果、実に775もの自治体にご当地体操があることがわかったんです。

 鳥飼 私が千代田区からの依頼で「ちよフル体操」を監修したのは2021年でした。コロナ禍で運動機会が減っていた時期で、自宅でも1人で無理なく簡単にできるように、という目的がありました。コロナ禍を経て、今はもっとたくさんのご当地体操があるかもしれませんね。

 佐藤 僕が高知県と農協の依頼で「高知やさい体操」を作ったのが2008年ですが、その頃も全国各地で体操が次々に作られていた印象があります。

「高知やさい体操」は、“体操のお兄さん”こと佐藤弘道さんが監修 ©文藝春秋

 武井 元々は、2000年に国が健康増進の基本方針「健康日本21」を策定したことが大きなきっかけでした。地方自治体も健康づくりの計画を作る必要が出てきて、その一環としてオリジナルの体操を作る流れが広がり、2006年頃をピークにたくさんの体操が生まれました。地域の名産や方言を取り入れたものが多いのは、より多くの人に親しみを持って取り組んでもらうための、自治体の工夫のあらわれです。