「費用は全部で450万円ぐらいかかりました」家庭教師ビジネスで貯めたお金で事業を立ち上げ
――発酵させるための設備は。
綾花 近所のレストランがちょうど潰れたので、そこから格安で器具を譲ってもらったり、さっき話した西マサチューセッツで納豆を作っていたおじいさんからロブスターを蒸すための大きな蒸し器を2個買って、納豆の蒸し器に流用したりしました。おじいさんは生産規模を縮小していたので、タイミングも良かったみたいで。
立ち上げ費用は全部で450万円ぐらいかかりました。コロナ禍で家庭教師ビジネスが繁盛していた時期に貯めたお金を使いましたね。
――保健所の検査や審査もあるわけですよね。
綾花 かなり警戒されましたね。保健所が各施設に付けるリスクレベルがあって、1が一番安全で4が一番危険なんですが、納豆はレベル4に分類されていて。1年に最低4回、インスペクション(検査)が入るんです。
ザワークラウトとか他の発酵食品はそうじゃないのに、なぜか納豆は最高リスクに分類されていて。まだあまり知られていない食品だからだと思いますが、そのぶん対応が大変でした。
日本人コミュニティの掲示板やSNSで宣伝
――スタッフはどのように採用しましたか。
綾花 納豆を知らない人に任せられないし、衛生管理のプロセスがしっかりできる人じゃないといけないので、サイエンス系のバックグラウンドがある人、研究室で働いた経験のある人に絞って探しました。
ボストンには日本人が多いので、そうした条件に合う人を探したら、けっこうたくさん手を挙げてくれて。いまは私を含めて3人で、スタッフ2人はどちらも日本人の研究者系の方です。
――販売はどのように始めましたか。
綾花 まず日本人のお客さんが一番買ってくれやすいだろうと思ったので、ボストンの日本人コミュニティの掲示板やFacebookグループ、Twitter(現X)に「納豆を作っています」と投稿しまくりました。
それと同時に、毎週土曜日に開かれるファーマーズマーケット、朝市みたいなものに出店して、地元のアメリカ人にも食べてもらう機会を作っていきました。でも、口に入れた途端に吐く人もいたりして。
撮影=石川啓次/文藝春秋
INFORMATION
Rowe綾花さんのX:https://x.com/AyaRowe
ホームページ:https://ayasculture.com/
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