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“おじさん”になった若林正恭が書いた「自分を肯定できるまでの軌跡」

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若林正恭さん

 人気お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭さんがエッセイ集『ナナメの夕暮れ』を上梓した。初エッセイ『社会人大学人見知り学部卒業見込』は累計20万部のロングセラーとなり、紀行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』で斎藤茂太賞を受賞。文筆活動でも注目を集めている。

「テレビ出演し始めた30歳の頃は世慣れていなくて、経験する全てが新鮮でした。そのファーストタッチの驚きを綴ったのが『社会人大学人見知り学部卒業見込』です。『ナナメの夕暮れ』を執筆したのは36歳から39歳にかけて。若者特有のブーストの掛かった回転数の高さを失いつつあり、おじさんになる中で打算やずる賢さを身につけていく。その潮目を渡る中途半端な時期でした」

 本作には「自分探し」の答えと「日々を楽しむ」術を手繰り寄せ、自分を肯定できるようになるまでの軌跡が書かれている。

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「サイン会で『自分と同じことを考えている、年上の人がいたなんて』と言ってくれる読者もいて、おじさんだから泣いちゃうんです(笑)。いわゆる自己啓発書に書いてあるのは、人生の茶帯が黒帯になる方法です。僕みたいに仮病を使って稽古を見学している奴には、何の参考にもならない。『ナナメの夕暮れ』に収録したエッセイは、自己否定の世界を生きてきた過去の自分を戒める気持ちで書きました。生き辛さを抱えている人の役に立てば嬉しいです」

ナナメの夕暮れ

若林 正恭(著)

文藝春秋
2018年8月30日 発売

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“おじさん”になった若林正恭が書いた「自分を肯定できるまでの軌跡」

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