「ミスをすれば彼女と性行為をする」――大阪の専門学校の非常勤講師の男は、社会経験の乏しい教え子に架空の迷惑料をふっかけ3000万円の念書を書かせた。
さらに、教え子の恋人を人質に取り「返済の代わりに体で払え」と要求。悪質な「ポイント制」の性暴力や動画撮影など、講師の立場を悪用した凄惨な支配の全貌とは。平成21年に起きた事件の発端をお届けする。なおプライバシー保護のため、登場人物はすべて仮名である。(全2回の1回目/続きを読む)
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月収数万円の極貧生活
飯田武志(当時31)はコンピューター電子専門学校を卒業後、IT企業に就職したが、上司と衝突して1年も持たずに退職した。
その後、ITコンサルタントを名乗って個人事業主になったが、月収は平均1~2万円。多くても10万円という極貧生活を送っていた。
そんなときに「母校の非常勤講師にならないか」という誘いを受けたが、それは週1回だけだった。
相変わらずの極貧生活を送る中で、課外授業のサークル活動に携わるようになると、「オレは正社員じゃないから、これ以上はボランティアでできない」「オレのプライベートな時間や能力をタダで使われるわけにはいかない」などと言って、生徒から“指導料”や“迷惑料”という名目で金を徴収するようになった。
その額は飯田の胸先三寸で、卒業するまでに数十万円も徴収された生徒もいた。その中で最も標的にされたのが事件の被害者となる石田康平さん(同21)だった。
ヤクザとの関係を匂わせ
飯田は石田さんから2年間にわたり、月2万円の“指導料”を取っていたが、石田さんが担当していた歯科医院のホームページ作りを放置していたことを知って、「お前のせいで周囲が血反吐モードになっている」と激怒。自分がヤクザにも顔が利くような作り話をして、石田さんに“迷惑料”を請求した。
「お前のせいで業者を呼ぶことになった。そのための金を払え。相手がヤクザだったら、大変なことになっていたぞ。実社会ではそういうことがあるんだ。よく覚えておけ!」
これが飯田の常套文句だった。社会経験の少ない学生の足元を見て、「債権業者に売られると外国へ飛ばされる」「外国人ヒットマンに狙われると山に埋められる」といった話をして怖がらせて、「よりよい人生を送るためには自分の言うことを聞くしかないんだ」という話に持ち込むのである。

