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電脳ペンフレンドって感じでしょうか

 私のメールによって外国のサイトが直った。この事実に打ち震えた。うれしくてメールをまた書いた。返事が来る。とにかく速い。何もかも。

 返事はこうだ。

 サイトをやってたけど知らない人からのメールは初めてだからうれしい……みたいな内容で、サイト更新は頻繁になった。メールのやりとりも続く。たわいもない内容でもワクワクした。電脳ペンフレンドって感じでしょうか。当時は翻訳サイトもないから、大変だったけど。

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 私のホームページの方は主に日記を書いてアップしていた。

 95年にMacを買った。しかし使い方がわからなくて放置。気がつくと単なるテトリス専用機に。35万円もしたのに……。テトリスだけに使う罪悪感から逃れたい私はブラインドタッチの練習をすることにした。「週刊文春」を表紙から裏表紙にいたるまで全部書いてある文字をポチポチ打つというハードコアな方法で。「淑女の雑誌から」も何もかも、テキスト化していく。そうしてキーを見ないで打てるようになった私はバリバリと日記を書き、英語のページも作った。洗車の人が見てくれるからです。

©iStock.com

「インターネットマニア」の読者はジェントルマンだった

 雑誌「インターネットマニア」には本名、顔写真、メールアドレスも掲載されていた。2015年に若者に見せたら驚愕の表情で「個人情報丸出し! 危ないじゃないですか!」と。「ヤバいメール来たんじゃないですか?」と。今からすると考えられない話だけど、当時は個人情報なんて単語自体なかったし、あんまり気にしてなかった。

 雑誌が出てからすぐに何通もメールをもらった。40人くらい? 全員男性だったけど、変な内容のメールは全くなかった。私のホームページの感想と自分のサイトも見て下さい等。「インターネットマニア」の読者はジェントルマンだった。

 当時、インターネットやってる人自体、とても少なかったと思う。もちろん変な人もいただろうけど、私は嫌な目にあったことがない。「情報を共有する」というインターネットの基本思想の素晴らしさ、開かれた感じに魅了されていた。なんというか、エログロもあるけど、のどかな楽園という感じ。思い出を美化しすぎでしょうか。

 あの頃は良かったよねェ、今のネットは殺伐としてるわね、とか思ったりする、そんな51歳女性です。