そのため、エンターテイメント性を帯びたプログラムを組まざるをえず、その最たるものが、様々な砲台からの各種火砲の砲弾の曳火射撃(砲弾を空中で破裂させるために信管を調整しなければならない)で富士山の裾野上空に富士の姿を描くという、無茶苦茶高度な射撃技術と正確なチームワークが必要だが実戦にはさっぱり役に立たない射撃であった。その光景も、一般公開をやめてからは見られなくなった。

観客席から拍手で迎えられたのは…

 そんな総火演に不肖・宮嶋が通うようになって三十有余年、変わったのは開催時期や一般公開の有無ばかりでない。最も大きな違いは、この総火演の主催者とも言える防衛大臣の顔である。

 今年、拍手と歓声とともに観客席から迎えられたのは、華奢な体を「ファイブ・スターズ」の大臣エンブレム付きのフライト・ジャケットに迷彩ポンチョという完全武装で固めた、小泉進次郎現防衛相であった。

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 本演習前の「大臣訓示」では「自らが諸君の先頭に立ち」「自衛官とその家族を守る」と二度強調。また後日、アジア安全保障会議の場で「新型軍国主義」などという新たな造語で執拗に日本を貶めようとした中国を念頭に「どの口が言うとんのや」といった趣旨の言葉を浴びせ、強烈な皮肉をかましてくれた。

 それに、変わったのは大臣の顔ぶれだけやないで。現在も続くロシア軍によるウクライナ侵攻、それに対するウクライナによる首都モスクワにまで迫るドローン攻撃、さらについ最近までのホルムズ海峡を挟んでのイラン革命防衛隊と米国・イスラエル軍のミサイル応酬等々の「実戦」を見ても明らかなように、紛争もテロも無くなるどころか増える一方、そして「戦争」の形態も大きく変わった。

空でも陸でも無人化・省人化が進む

 自衛隊もそれに合わせ、戦術や装備を変化・充実させてきた。総火演に登場する装備やプログラムも30年前とはほとんど別物と言っていいほど激変したのを、不肖・宮嶋は愛機のレンズを通してこの目でつぶさに見てきたのである。

 その「変化」の最大の特徴は「無人」「省人」であろう。

 
 

 昨年も登場したUAV(ドローン)は「スカイレンジャー」などの「偵察型」に加えて、広報撮影用の無人機もそこら中に現れた。AH-1Sヘリ・通称「コブラ」や、ティルト・ローター機のV-22・通称「オスプレイ」の合間を縫うようにUAVがブンブン飛び回るのは、もはや演習場の日常となった。

 空だけではない。今年の総火演はUGV(無人地上車両)も登場した。