チュッチュッチュッ〜と⋯

 そんなある日、午前中の作業療法で多くの患者が病棟のホールに集まっていた。

 塗り絵をしたり、漫画を読んだり、音楽を聴いたりと、めいめいに活動を楽しんでいる。そこには大迫さんと須磨さんもいて、隣同士の席で仲睦まじげに話をしていた。ぼんやりとその光景を眺めていると、次の瞬間、須磨さんと大迫さんはキスをし始めた。肩を寄せ合い、人目を憚らずキスを繰り返す。隣の認知症のおばあちゃんは塗り絵をやめ、2人のアバンチュールを凝視。たしかにこっちのほうが脳の刺激になる。

 目撃した看護師長が慌てて2人のあいだに割って入り、「病院はそういうことをする場所ではありません」と注意する。

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写真はイメージ ©getty

 引き離された2人は不満げだった。病院でキスはアウトだ。「患者同士でのペッティング禁止」などと明示されているわけではないが、閉鎖病棟という環境で異性への関心を強くする刺激が入ると、退院への焦りが出たりする患者もいる。

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 その後、2人の患者は連絡先を交換し、仲睦まじい姿を見せる。しかし、やがて2人の甘い関係に暗雲が垂れ込める⋯⋯。【その後の2人】は下記の関連記事で紹介。

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