また、事故物件であることが隠されて、賃料の値下げもされずに貸し出されていたとしたら、どうでしょうか。気づかずに事故物件に住み、あとから事実を知った場合、不快に思う人のほうが多いのではないでしょうか。

 殺人や自殺など自然死以外で人が亡くなった場合、宅建業者は宅建業法に基づき、契約前に告知する義務があります。また、令和3(2021)年に国土交通省が定めたガイドラインでは、賃貸物件の告知期間は「概ね3年間」とされています。

 しかし、3年より前に起きた殺人事件なら誰も気にしないのかと言えば、そんなことはないでしょう。それに、ガイドラインには法的拘束力がありません。罰則がない以上、宅建業者すなわち不動産業者が告知期間を守らない可能性が捨てきれません。そこで、契約する人が事前に正しい情報を得られるよう、大島てるで情報を引き続き公開しているというわけです。

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58歳の息子が「81歳の母親」を殺害した

 さて、これから契約する物件であれば、事前に調べることで事故物件を回避することはできますが、すでに住んでいる物件で事件が起きることもあります。今回紹介するのは、そのなかでも特にインパクトのある事件です。

 平成22(2010)年2月中旬、東京都葛飾区のマンションの住人が、天井からポタポタと水が垂れていることに気づきました。住人の部屋は1階で、上の2階にも部屋があります。1階の住人は管理人に、「上の部屋から水漏れがある」と苦情を言いました。

 管理人は真上の部屋を確認しに行きます。

 すると驚いたことに、女性が玄関先で腹から血を流して倒れていました。しかも部屋の中には、初老の男もいます。男は女性の息子でした。58歳の息子が、81歳の母親を刃物で刺し殺したのです。