「こんな派手な見た目のやつには譲りたくない」「そんな体に産んだ親を恨め」

──どんなコメントがあったのですか。

さしみちゃん 一番多かったのは「注目を集めるためにわざわざ撮ったんじゃないか」っていう疑いのコメントですね。たまたまVlogを撮影しててカメラを回してただけなんですけどね。

 ほかにもエレベーターのドアに反射した私の姿から「こんな派手な見た目のやつには譲りたくない」って反応があったり、「電車に乗りたくないんだったら運転手を雇えよ」って非現実的なコメントも送られてきました。「死ね」「そんな体に産んだ親を恨め」みたいなただの暴言もありましたね。

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──ひどすぎますね……。その人たちはなぜそんなに怒ってたんでしょうか。

さしみちゃん たぶん、今まで発信してきた障害者の人って「譲ってください」みたいなお願いの文脈が多かったと思うんです。でも私が「抜かされたんだけど草」みたいなノリで、しかも見た目がギャルだったから、知ってる「障害者像」に当てはまらなくてびっくりしちゃったのかなって。

 ただ私も、コメントをいただいたことで初めて知ったこともあったんです。

──初めて知った?

さしみちゃん 駅のエレベーターが「優先」なことを知らなかったという声がとにかく多かったんです。私にとっては当たり前だったので、逆にみんなが知らないことを私も知らなかったんですよね。展望台みたいに全員がエレベーターを使うしかない場所なら順番通りなんですけど、駅では階段やエスカレーターもあるから、エレベーターは移動に制約がある人が優先。でもそのルールがまだ伝わってないんだなって。

──ルールじゃなくて「思いやりがあれば」というコメントも見かけました。

さしみちゃん 思いやり頼みだと現実的には難しいですよね。「譲ってって言えばいいのに」ってアドバイスもあって、もちろん私も急いでいる時は頼んだことがあるんですけど、スマホから目を離さず聞こえないフリで無視されたことが何度もありました。

 

──無視するんですか。

さしみちゃん 無視は普通にありますね。もっとびっくりしたのは、百貨店の途中の階でエレベーターを待ってた時です。何度待ってもいっぱいで乗れなくて、「すみません、もう5回も見送っているので少しスペースを空けてもらえませんか」って言ったんです。そしたらエレベーターの中の人が「え、どうしよう」って感じでキョロキョロしながら閉めるボタンを連打されたこともあって……呆然としたし、悲しかったですね。