地味な服装だと舐められ、ギャルファッションだと攻撃され…

──それでギャルファッションを?

さしみちゃん 元々好きだったのは大きいんですけど、結果的には理不尽な目に遭うことが減るのも経験上わかっちゃって。それにどっちにしても車椅子に乗ってると注目されちゃうから「どうせ見られるなら好きなファッションを楽しんでた方がいいよね」って思うようになりました。

ギャルファッション時のさしみちゃん

──でも派手だと「譲らない」と言ってくる人がいたり、地味だと雑に扱われやすくなったり、八方塞がりですね。

ADVERTISEMENT

さしみちゃん さらに難しいのが優しそうな外見だと親切にされるパターンもあるんですよね。少し前に髪が傷んじゃったんで一旦黒髪にして、優しい雰囲気のメイクにしてたんです。そしたら明らかにタクシーの乗車拒否率も減って。

 私自身、発信を始めて外見に言及されることもありますし、他の障害者のSNSで「こんなにかわいいなら、いくらでも助けたい」ってコメントを見ると、私がもっとかわいかったら話を聞いてもらえるのかなって考えちゃうんですよね。同時にサポートする側の外見の好みで移動の利便性が変わってしまうって歪んでるとは思うんですけど……。

「思いやり頼り」ではなくスムーズに暮らせるシステムを

──とはいえ現状、優しくしてもらえないと不便が生じてしまう場面がある。

さしみちゃん ただやっぱり理不尽に扱われた経験を振り返ると、地味な外見でいなきゃいけなかった時期に集中してるんです。でもその解決策として「障害者は見た目を派手にすべき」とは言えないじゃないですか。

 台湾に行ったとき、車椅子がスムーズに通れるくらいの広い改札の先にエレベーターがあって、エレベーターを降りたら段差のない車両が目の前にあって降りる駅でもスムーズだったんです。「こんなに自由に移動できるんだ」ってびっくりして。システムが整っていれば、優しさに頼らなくても生活できるんですよね。

 

──だから「思いやり頼りでは成立しない」と。

さしみちゃん どんな見た目であっても物理的に一人で生きられる社会であってほしい。次世代の障害のある子どもたちが同じハードルに直面するような状況は大人として変えていかなきゃって思って。それで国交省にエレベーターのシンボルマークの導入や、優先表記の拡大化を求める署名運動もやってます。

「今日は親切な人がいたからスムーズに移動できた」じゃなくて「ルールやシステムが整備されてるからスムーズに移動できた」って状況にしないとって思うんですよね。

最初から記事を読む 「足がふにゃっとなって、なぜか立てない…」日本で1人だけの難病“点状石灰化骨異形成症”を生まれつき抱える女性が9歳で直面した“意識が戻らないかもしれない手術”の決断

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。