夫は妻の実家が菊乃井だと「蓋を開けてびっくり」

――ご実家は京都で飲食店をしていると。

村田 それは知晴さんが料亭とか、京都のなになにとか、そういうことに興味がなさすぎて、へーって聞いてはったんで、覚えてたのが「京都の飲食店の娘」くらいの感覚で。

――そうなんですか(笑)。

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村田 はじめは居酒屋やと思ってたらしいです。ほんまに結婚するまでは、食べることにもあんまり興味がない人だったので、料理屋って聞いても、「えーおいしいとこ?」とか、そういうのもまったくなかったです。ふーんで終わりましたね。

――それがよかったといいますか。

村田 私のなかでは、突っ込んでこられたら全部言うつもりではいたけれども、ふーんで終わったんで、自分で調べてはるのかなとか、なんとなくわかってはんのかなって。いまから思えば、なんていうんでしょうか、いい行き違いというか。蓋を開けてびっくりっていうのはいまだに、言ってはります。

©志水隆/文藝春秋

――結婚後、知晴さんが大女将(祖母)から「菊乃井の娘やって言わんときよしって紫帆に言うときましたんや」と言われてびっくりしたと。

村田 それはまた違う話になって、うちのおばあちゃんの癖がすごく強いという。

――そういうことを言われて育たれたわけではない?

村田 言われて育ったわけではないですし、どちらかというとうちのおばあちゃんは、どこ行っても「菊乃井です」って言いたいタイプなんですけど。

――あれはなんだったんでしょうかね?

村田 そう言ったほうが結婚できるって入れ知恵したのが私ですっていうことを言いたかったんやと思います。

――そうなんですか(笑)。むずかしい。

村田 私の采配ですみたいなんを、もっていきたいおばあちゃん。

――紫帆さんが大女将の教えを守っていたわけでは?

村田 言われたことないです。

――言われたことない!

村田 あははは。癖強い人ばっかりです。はい。

結婚を前提にお付き合い…父と祖母の反応

――知晴さんと結婚を前提にお付き合いをされることになって、お父さまの反応はいかがでしたか。

村田 年齢が年齢だったので、お互いがいいんやったら、よっしゃー逃げられる前にくらいの気持ちではいたようです。

――反対されることもなく?

村田 きちんと会社にお勤めされていたのと、ゆくゆくは(仕事を)辞めてもいいくらいに言ってくれてるというふうになったので。

――大女将はどうでしたか?

村田 おばあちゃんはもう自分が見つけてきたくらいの気持ちで。

©志水隆/文藝春秋

――え、どういうことですか?

村田 そういう人なんです。結婚相手が誰であれ、自分が見つけてきたことにしたいタイプなので、「大学のお友達とかよう知ってるからいいと思ってましたんや」って。

 言われたほうは腹立ちますけど、そういうことを私には言い、知晴さんには「菊乃井の娘やって言うたらあかんと言うときましたんや」と言い……。